温厚な夫が激怒…熟年離婚の危機を招いた佳代子さんの“悪癖”

佳代子さんは当初、録画していたドラマを見たり、本や雑誌をゆっくり読んだりと、ひとり時間を満喫していました。

しかし……。

ある日、佳代子さんがいつものように雑誌を読んでいると、つけっぱなしにしていたテレビで通販番組がはじまりました。

「あ、これほしかったやつだ……えっ、こんなに安いの!? なに、時間限定!? はやく買わなきゃ!」

この日をきっかけに、深夜の通販番組にはまってしまいます。

いま冷静に振り返ると、退職金という大きなお金が入ったことで気が大きくなっていたのかもしれません。佳代子さんは、最初こそ数千円の商品を遠慮がちに注文していたものの、すぐにタガが外れてしまい、数十万円単位のものも躊躇なく注文するように。

夫の武夫さんはというと、毎日のように自宅に届く荷物から妻の浪費に気が付いていましたが、自分が家にいるようになったストレスだという負い目もあり、半年ほどは黙認していました。

しかし、ついに“明らかに高そうなマッサージチェア”が届いた日、武夫さんはさすがに妻に声をかけます。

「なあ、こんなもん本当に使うのか?」

「あら、だってとってもお得に買えたのよ。2人でマッサージに通うことを考えたらすぐに元を取れるじゃない。なに? じゃああなたは使わないのね!?」

武夫さんの問いかけに、佳代子さんはムキになって反論。

その後も、健康器具やサプリメント、装飾品など、いつ使うのかわからないようなものが次々と届きます。

「おい! もういい加減にしてくれよ。開けていない箱が山積みじゃないか。こんなに買ってお金のほうは大丈夫なんだろうな!?」

「大丈夫よ。退職金たくさんもらったじゃない」

「ちょっと通帳みせてみろ」

武夫さんがそう言うと、佳代子さんはしぶしぶ通帳を差し出しました。

武夫さんは残高を見て目を丸くします。4,000万円あったはずの預金が、なんと1年で3,000万円になっていたのです。

「おいうそだろ……なにやってんだ! たった1年ちょっとで1,000万円も使ったのか!」と激怒。

慣れない大声を出した武夫さんは立ちくらみ、膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んでしまいました。