娘の小学校入学を機に、念願のマイホームを手に入れたITエンジニアの佐々木さん(仮名)。その事実を母親へ報告したところ、後日母親からまさかの「絶縁宣言」を受けてしまいます。いったいなにがあったのか、核家族化が進むなか増えている「親子の認識のズレが生むトラブル」について、佐々木さん家族の事例をみていきましょう。山﨑裕佳子FPが解説します。
もう話したくない…神奈川の6,000万円・中古マンションを買った年収700万円の41歳サラリーマン、67歳母から突然「絶縁宣言」されたまさかの理由【FPが解説】
念願のマイホームを購入…入念なシミュレーションで抜かりなし
ITエンジニアとして働く佐々木ユウキさん(仮名・41歳)は、妻ハルカさん(仮名・36歳)と娘ミライちゃん(小学2年生)との3人暮らしです。
ユウキさんの年収は700万円、事務系の派遣社員として働くハルカさんの年収は350万円で、世帯年収は1,050万円。夫婦は昨年、娘の小学校入学をきっかけに、神奈川県内に6,000万円の中古マンションを購入しました。
念願のマイホーム購入にあたりしっかりとシミュレーションを重ねたユウキさん。35年ローンを組み、次のような返済計画を立てていたそうです。
〈ユウキさんの「住宅ローン返済計画」〉
■物件価格:6,000万円
・住宅ローン借入金額:5,000万円
・変動金利:0.375%
・返済期間:35年
・返済方法:元利均等返済
・年間返済額:152万4,588円
・月々の返済額:12万7,049円(ボーナス返済なし)
総返済額……5,336万580円
世帯収入から考えると月々の返済額をもう少し増やし、返済期間を短縮することもできました。しかし、佐々木夫妻はひとり娘のミライちゃんを私立中学に進学させたいと考えていたため、これからかかる教育費を考慮して、月々のローン返済額を抑える選択をしたのでした。
息子がマンションを購入…母親の「意外な反応」
ユウキさんの実家は静岡にあり、父が亡くなってからは母のシズエさん(仮名・67歳)が1人で暮らしています。
マンションを購入するにあたって、ユウキさんは母親にも報告。
ユウキ「神奈川の〇〇ってところにマンションを買うんだ。ミライも小学校入るし、タイミング的にもちょうどいいと思って」
シズエ「神奈川?……ああ、そう」
「落ち着いたら遊びに来てよ」と伝えましたが、それから1年経っても、シズエさんが新居を訪れる気配はありません。何度か電話で誘ってみましたが、「そのうちね」とかわされてしまいました。