「老後の準備は万全」だったが…66歳専業主婦の“悩みのタネ”

専業主婦の高橋佳代子(仮名・66歳)さんは、夫の武夫さん(仮名・66歳)との2人暮らしです。

武夫さんは高校卒業後に入社した会社で65歳の定年まで勤めあげ、昨年無事に定年退職となりました。定年退職時の高橋夫妻の資産状況は、預金と武夫さんの退職金を合わせて4,000万円ほど。また、65歳からもらい始めた年金は、夫婦合算して月に約27万円でした。

仕事人間だった武夫さんはこれといって趣味もなく、散財グセもないため、高橋夫妻は年金受給額の範囲内で生活できています。

また、住宅ローンも払い終えていたことから、お互いの介護費用や自宅のリフォーム資金、子どもの結婚祝いなど、今後起こり得る突発的な支出にも対応できそうです。

「もしなにかあっても、これだけまとまったお金があれば安心ね」

家のお金の管理を任されていた佳代子さんは、通帳の残高を確認してホッと胸をなでおろしました。

“おしどり夫婦”に起きた異変…深夜2:00起床が日課となった妻

武夫さんが定年退職してしばらく経ったころ、佳代子さんは“予想外のストレス”に頭を悩ませていました。

それは、四六時中家にいるようになった武夫さんの存在です。

前述のとおり、現役時代は仕事人間だった無趣味の武夫さんは、定年後の時間を持て余していました。そのため、65歳で定年退職して以降、基本的には1日の大半を家のなかで過ごすようになります。

もともと、高橋夫妻はどこへ行くにも2人で出かけるなど、近所では“おしどり夫婦”として有名でした。しかし、四六時中一緒となると、話は別です。

武夫さんが悪いわけではないのですが、これまで佳代子さんが満喫していた「日中のひとり時間」がなくなってしまい、徐々にイライラが募っていきました。

そこで思いついたのが、深夜2:00に起きて「深夜のひとり時間」を楽しむことでした。夫が就寝中のこの時間だけ、ひとりでリビングを占領してくつろげます。

ただ、この日課をきっかけに、高橋夫妻は熟年離婚の危機に陥ってしまったのです。