投資と聞くと「相場の動きを常にチェックしなければならない」といったイメージから、「忙しいし、今はいいかな…」と後回しにしている方もいるのではないでしょうか。そんな方に知ってほしいのが「ほったらかし投資」です。証券会社でマーケットアナリストや先物ディーラーを経験した金融・投資ライターの山下耕太郎さんが「ほったらかし投資」の魅力と具体的な実践方法を解説します。※本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』からの転載です。
“待てば海路の日和あり”…気づいたら資産が増えている?「ほったらかし投資」のススメ【投資のプロが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

投資初心者におすすめの「ほったらかし投資」とは?

(※画像はイメージです/PIXTA)
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忙しい日々のなかで、「投資をしたいけど時間がない」「どう始めたらいいかわからない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。そんな人に知ってほしいのが「ほったらかし投資」です。

 

日々の相場チェックや頻繁な売買判断をせずに済む投資手法を「ほったらかし投資」といいます。一度投資の仕組みを整えたら、あとはその仕組みに任せて長期的に資産を増やしていくスタイルで、特に投資初心者に適しています。

 

代表的な方法には、次のようなものがあります。

 

・定期積立投資
……毎月決まった金額を、投資信託などに自動的に積み立てる方法
・ロボアドバイザー
……AIが自動で資産配分やリバランスを行ってくれるサービス
・インデックス投資
……市場全体の動きに連動する商品に長期投資する方法

 

ほったらかし投資は短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産形成を目指す人に向いています。「時間」という最大の味方を活用し、複利の力で資産を着実に成長させるのが特徴です。

 

投資の基本は「長期・積立・分散」

ほったらかし投資の核となるのは、投資の基本である「長期・積立・分散」という3つの要素です。

 

長期投資は、市場の短期的な変動を乗り越え、経済成長の恩恵を受けるための重要な戦略。

 

まず、10年、20年といった長期間の運用を前提に考えることで、複利効果を最大限に生かすことができます。

 

また、定期的に一定額を投資する(=積み立てる)ことで、相場が高いときには少なく、安いときには多く購入することになるため、平均購入単価を抑えられるというメリットがあります。

 

さらに、イギリスの作家マーク・トウェインがのこした「卵は1つのカゴに盛るな」という格言のとおり、分散投資を行うことでリスクを軽減することができます。

 

「株式だけ」などと資産を集中させるのではなく、株式、債券、不動産、コモディティ(商品)など、投資対象を異なる資産に分散させることで、1つの資産価格が下落しても全体への影響を抑えることが可能です。