「命に関わる危険な暑さ」が連日報道される今夏。「うちの親に限って」「うちの親は大丈夫」と思っていませんか。しかし高齢者の熱中症は、その多くが住み慣れた自宅で発生しています。感覚の鈍りやエアコンの不調に気づかぬまま、静かに命の危機が迫る現実……。本記事では、Aさんの事例とともに、一人暮らしの高齢親の孤独死対策についてFPオフィスツクル代表・内田英子氏が解説します。
思わず絶叫…「年金6万円・貯金70円」の78歳貧困父、死去。1年ぶりに訪れた「築45年の実家」で、52歳息子が〈二槽式洗濯機〉の中に見つけた“とんでもないもの”【FPの助言】
親の“その日”に備えるのは、いまから
Aさんは、父親の死後、周囲に相談するなかで見守りサービスの存在を知り、知らなかったことを悔やんだといいます。「せめてなにか一つでもやっておけば今回のような結果にはならなかったかもしれない……」と繰り返し、自責の念にかられました。『まさかうちの親が……』と多くの人がいいます。
しかし、なにも備えていない家庭ほど、その“まさか”は突然やってきます。年を重ねるにつれ、ちょっとしたことができなくなった、と感じる方は少なくないようです。子どもからすると、まさかこれくらい、と思われることでも、それがきっかけとなり、思った以上に高齢の親や将来の自分の負担を大きく軽減することにつながるかもしれません。
公的介護保険サービスだけにかかわらず、お住まいの自治体での支援状況を調査し、相談するところからはじめてみてはいかがでしょうか。
〈参考〉
厚生労働省 地域共生社会における、身寄りのない高齢者等が抱える課題等への対応について
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001321498.pdf
高齢者等の見守りガイドブック
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/guidebook4
総務省行政評価局 一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査結果報告書
https://www.soumu.go.jp/main_content/000892187.pdf
総務省 「一人暮らしの高齢者に対する見守り活動に関する調査」の結果(概要)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000892177.pdf
内田 英子
FPオフィスツクル代表