2024年に「新NISA」がはじまって以降、投資を始める人が急増しました。一方、そのような状況でも「聞いたことはあるけれど、いまいちよくわからない」と、まだ始められていない人も少なくありません。ただ、それではあまりにも「もったいない」といえる状況になってきました。そこで今回は、「新NISA」の仕組みと利用時の注意点を見ていきましょう。15年間の証券会社勤務を経て、現在はJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の講師としても活動するCFPの倉橋孝博さんが解説します。※本記事は、株式会社セゾンファンデックスが運営する『セゾンのくらし大研究』からの転載です。
新NISA、未使用はもったいなさすぎる…今すぐ新NISAをはじめたいこれだけの理由【お金のプロが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

「つみたて投資枠」は少額から始められていつでも換金可能

 

新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類があります。

 

「つみたて投資枠」は、皆さんが「これはお金が増えそうだな」と思った投資信託を選び、定期的に(たとえば月に1度)買い続けるというスタイルです。1年間に購入できる上限は120万円なので、仮に月に1度であれば、毎月10万円ずつ買い付けることができます。

 

もちろん、この金額は皆さんのマネープランにあわせて設定してください。金融機関によっては、100円以上1円単位で始めることができます。

 

お子さんの教育費がかさむ時期は投資額を減らし、大学を卒業して手が離れたら増額するなど、ライフステージに合わせた運用ができます。また、場合によっては買い付けを休止することも、急に現金が必要になった場合には売却も可能です。

 

投資信託の選び方

「投資信託は買ったことがないから、どれを選んだらいいのかわからない」という人も多いでしょう。安心してください。「つみたて投資枠」では、金融庁がオーソドックスでわかりやすい銘柄をピックアップしています。

 

簡単にいうと、「これからは日本が巻き返す」と思えばTOPIXや日経平均株価などに連動する銘柄を、「やっぱり世界をリードするのはアメリカでしょう!」と思えばS&P500と同じような動きをする銘柄を、「20年以上運用するのが前提なのでバランスが大切だ」と考える人は世界の株で運用する銘柄を選ぶといいでしょう。

 

現在アメリカや世界の株が人気ですが、新興国株などリスクがある分、より良いパフォーマンスを目指して運用する銘柄もあります。銘柄は多数あり、つみたて投資枠の対象銘柄は約300本となっています。

 

つみたて投資枠なら、運用にかかるランニングコストも抑えられる

投資信託には、保有している間かかり続ける「信託報酬」というコストがあります。

 

たとえば、信託報酬が1.5%の投資信託を100万円購入した場合、仮に運用が鳴かず飛ばずの横ばいでも、年間1万5,000円ほど差し引かれてしまいます。長期投資が前提の資産運用なのに、このコストは大きな負担といえるでしょう。

 

しかし「つみたて投資枠」ならこの点も心配無用。「つみたて投資枠」対象商品の多くはこの信託報酬が0.5%以下に設定されており、最近では0.1%未満のものも増えています。さらに、「つみたて投資枠」では購入手数料がかかりません。

 

利益に対して税金がかからない、信託報酬が低い、しかも購入手数料はゼロ。新NISAのつみたて投資枠はメリットが多いといえるでしょう。