老人ホーム選びは、大切な家族の将来を左右する大きな決断です。しかし最近では、施設選びの際に受け取れる「入居お祝い金」が、後悔や転居意向の増加と強く関連していることが明らかになっています。表面上のお得さに惑わされず、何を重視すべきなのでしょうか?
お得なはずが、なぜ?「入居祝い金」をもらうと後悔は4割増。「老人ホーム選び」の不都合な真実 (※写真はイメージです/PIXTA)

老人ホーム探しの平均値…見学数2.8ヵ所、検討期間60.8日

株式会社LIFULL senior/「LIFULL 介護」が、全国の20代〜80代の男女2,500人を対象に実施した『介護施設選びの実態調査』を実施しました。調査対象は、いずれも介護施設への入居経験がある家族や親族を持ち、その施設選びに関与した人たちです。

 

調査によると、見学した施設数は平均2.8ヵ所。8割以上の人が3ヵ所以内の見学にとどまっており、約1割は「見学していない」と回答しています。施設の検討期間は平均60.8日とされていますが、20代では「1週間以内」に決定した人が3割を超えており、若年層では短期間で判断を下す傾向が強いことが明らかになりました。

 

施設選びで重視するポイントを聞いてみたところ、最も多かったのが「スタッフの印象・雰囲気が良いこと」(54.8%)でした。これは立地条件や費用面を上回る結果となっており、サービス提供者側の「人となり」が施設選びのカギを握っていることがうかがえます。

 

また、世代間で重視するポイントにも違いが見られました。「立地の良さ/家族が通いやすいこと」は、20代で30.3%だったのに対し、70〜80代では59.3%と、29ポイントもの開きがありました。さらに「キャンペーンや特典の有無」については、20代の17.6%が重視した一方、70〜80代では0.7%と極端な差が出ています。若い世代ほど金銭的メリットやプロモーション要素に敏感である一方で、高齢世代は利便性や実質的な安心感を重視する傾向が強いようです。