おひとり様の高齢者

核家族化や少子化等により、おひとり様の高齢者は増えています。おひとり様が亡くなった場合、死後に必要な手続き等をしなければならないものの、実際にそれらの手続きをしてくれる人が近くにいないことも少なくありません。頼るべき親族がいない人や親族に頼りたくない人にとって、「死後事務委任契約」は有効な手段の1つといえるでしょう。

Aさんの父の場合は、離婚後Aさんとは別々に生活しているうちに疎遠になってしまったため、亡くなったあとの諸々の手続きを契約によってお願いしていたようです。これは推測ですが、Aさんの父はAさんの負担にはなりたくなかったのでしょう。

Aさんは、ゴミ屋敷のゴミのなかからのお宝を見つけて、父と疎遠になってしまったことを後悔していました。口数の少ない変わり者の父は、子どもとの距離感、寄り添い方がわからなかったのかもしれません。

「便りのないのはいい便り」ということわざもありますが、連絡や便りがないのは、無事である証拠であるとは限りません。特に高齢者には便り(連絡)をまめにとるようにしてほしいと願うところです。

三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表