年を重ねると、多くの人が直面する住まいの問題。年金や退職金を頼りに、安心、そして快適に暮らせる終の棲家を希望する人も多いようです。しかし、そこには思いもしない落とし穴が潜んでいることも珍しくありません。
こんなはずじゃなかった〈年金月18万円〉〈退職金1,500万円〉65歳男性、〈1,200万円〉を投じた終の棲家だったが…妻は泣き崩れ、地獄と化した「まさかの理由」 (※写真はイメージです/PIXTA)

気になるところがあって…プロの診断で大リフォームを決意

35年間勤め上げた食品メーカーを定年退職した佐藤茂さん(65歳・仮名)。退職金は約1,500万円。これからは、妻の花子さん(63歳・仮名)と、月18万円ほどの年金を受け取りながら穏やかに暮らしていく――そんな第二の人生のスタートを思い浮かべていました。

 

しかし、そこに大きな不安が生じることに。ある日、家のインターフォンが鳴ります。この一帯を回っているというリフォーム会社を名乗る30歳前後の男性。近所の屋根の点検中に、佐藤さん宅で気になるところがあったと訪問してきたといいます。

 

「少し遠めに見たので確かではないのですが、屋根で気になるところがあって。お金はかからないので、ちょっと点検させてもらえませんか?」

 

プロに「気になるところがある」と言われたら、誰もが不安になるもの。「点検にお金はかからない」という言葉を信じ、屋根に上がってもらうことにしました。すると、「やはり、壊れている箇所があって……このままだと、近いうちに雨漏りするかもしれませんね」と、撮った写真を見せてくれました。素人目にも、屋根の一部が破損しているのが確認できました。

 

佐藤さん夫婦は、「ついでだから――」と、住まいについていろいろと相談することに。佐藤さん宅は、30年前に購入した戸建て。若い頃は気にならなかった急な階段の上り下りは日に日に足腰への負担となり、冬場の底冷えする寒さは、血圧の気になる茂さんにとって大きな不安材料でした。

 

「この家も、もう古いですからね。冬は寒いですし、お風呂場もタイルで冷たいですし。どうにかしたいと思っているんですよ」

 

男性は爽やかな笑顔と丁寧な物腰で、佐藤さん夫婦の不安に熱心に耳を傾け、深く頷きながら共感の言葉を口にしました。

 

「これから快適に、そして安心して暮らせる住まいづくりのために、ぜひ力にならせてください」