「お金のことは全部、夫に任せていました」——これは夫を亡くした多くの妻が口にする言葉です。平田泰子さん(62歳・仮名)もその一人。夫が突然この世を去った日、彼女の人生は一変しました。この記事では、平田さんの事例と共に、今からでも始められる「夫婦で取り組む資産管理」について、FPの青山創星氏が詳しくお伝えします。
(※写真はイメージです/PIXTA)
私、何もわからなくて…38年間連れ添った夫を失い悲嘆の62歳妻、遺族年金わずか「月9万円」に絶句。頼りは「残された資産5,000万円」だが、羞恥と後悔に沈んだワケ
事前準備で遺族の負担は大幅に軽減できる
この1年間の経験から平田さんが学んだ教訓をまとめます。まず、最も後悔しているのは、事前準備を怠っていたことです。
【絶対に事前準備が必要】
最も困ったのは次の2つでした。
1. 銀行・証券口座の取引状況や残高が確認できない → 金融機関一覧とID・パスワード集の作成
2. 生命保険・年金の請求手続き先が不明 → 保険証券の写しと保険会社連絡先リストの整理
2. 生命保険・年金の請求手続き先が不明 → 保険証券の写しと保険会社連絡先リストの整理
【事前準備しておいた方がよい】
さらに、以下のことも準備しておけば、もっとスムーズに手続きができたはずです。
1. 毎月の生活費が把握できず家計が混乱 → 月額支出・請求一覧の整理
2. 確定申告用の帳簿・領収書が揃わない → 資産一覧と会計データの整理
2. 確定申告用の帳簿・領収書が揃わない → 資産一覧と会計データの整理
【実際の手続きスケジュール】
実際に平田さんがしなければならなかった主な手続きを時系列でお示しします(実際にはもっとたくさんあります)。
遺族の生活面
• 死亡を知った日から5日以内:社会保険資格喪失届の提出
• 死亡の事実を知った日から7日以内:死亡届提出・火葬許可申請
• 死亡を知った日から5日以内:社会保険資格喪失届の提出
• 死亡の事実を知った日から7日以内:死亡届提出・火葬許可申請
相続関連
• 被相続人の財産の存在を知った時から3ヵ月以内:相続放棄・限定承認の申立て
• 被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヵ月以内:遺産分割協議書の作成、相続税の申告・納税
• 被相続人の財産の存在を知った時から3ヵ月以内:相続放棄・限定承認の申立て
• 被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヵ月以内:遺産分割協議書の作成、相続税の申告・納税
平田さんのような後悔をしないために、今日から小さな一歩を踏み出しませんか? それは配偶者に「今、私たちの資産はどうなっているの?」と尋ねるだけでもいいのです。その一言が、あなたの将来を大きく変えるかもしれません。
ファイナンシャルプランナー
青山創星