よかれと思って入ったその保険。「教育資金のため」「老後のため」と加入した保険が、家計を圧迫する原因になっていることも。本来の目的から外れた保険は、あなたを「保険貧乏」に導きかねません。本記事では、伊達有希子氏の著書『夫婦と子ども2人、世帯年収650万円。どうしたら家が買えますか?:マンガでわかる!一生お金に困らないライフプランのつくり方』(大和出版)より、無駄な保険料を払わずに着実にお金を貯める方法について解説します。
ムダすぎる…「入ってはいけない保険」とは?あえて入るなら月1万~2万円で加入できる“シンプルな掛け捨て” (※写真はイメージです/PIXTA)

「先取り貯蓄」、4つのステップ

先取り貯蓄をしてしまえば、生活はおのずと残ったお金に合わせてアジャストしていくことになり、結果的に順調に貯蓄を増やしていくことができます。このときにポイントとなるのが、順調に貯蓄が増えるようお金の流れを「しくみ化」することです。

 

先取り貯蓄を実行する手順を述べておきます。

 

1.先取り貯蓄

ライフプランをもとに、いつまでにいくら貯めるのかを把握することで、必要になるまでの時間を逆算し毎月いくら貯蓄すればいいかを計算。

 

2.特別支出積立

1~5年くらい先の見えている夢、目標、イベントに対して積立をしましょう。

 

3.家計の現状把握のために家計簿アプリを活用

1カ月分の収支を確認してみる。支出は特に固定支出と流動支出に分けてチェック。

 

4.管理の手順をしくみ化

給与の指定口座の変更、先取り貯蓄の設定、特別支出積立の設定、生活費の引き落とし設定などを行います。

 

収入が入ったら、その月に貯蓄すべき額を先取り貯蓄に回しましょう。「貯蓄に適切な額は、収入の約〇割」という考えもあるようですが、必要な額と準備期間は人によってそれぞれ異なりますよね。だからその考えにとらわれる必要はないと私は考えます。それよりもライフプランをつくって自分の貯蓄するべき額とタイミングを把握するほうが重要です。

 

先取り貯蓄をすると毎月の生活が苦しくなってしまうケースもあります。例えば子どもが小さく妻が働けない時期は、定額を貯蓄しながらだと日々の生活がカツカツになるかもしれません。そんなときは無理をせず、貯蓄をすること潔くやめましょう。

 

数年後、子どもが幼稚園や小学校に入学して妻が働き始めて稼げるようになれば、収入が増えるので家計は黒字になり、貯蓄ができるようになるでしょう。人生の中ではそういう「稼いで貯められる」タイミングと、「稼げない、貯められない」タイミングがあることを知っておくだけでも、自分を責めてしまったり、むやみに貯蓄に振り回される必要がなくなります。

 

 

伊達 有希子
フィナンシャル・プランナー