Aさんの後悔

再雇用を蹴ったAさんでしたが、この5年間で退職金を3分の1にまで減らしてしまったいま、Bさんとの差は埋められないほど広がっています。Aさんは節約と再就職を決意するも、65歳で特段資格も持っていないAさんを雇ってくれる会社はなかなか見つかりません。

「ああ、なぜ再雇用で働かなかったんだろう……」

Aさんはいまになって深く後悔していました。

「勤続年数」に注目することで退職金を“賢く”もらう

終身雇用が当たり前でなくなってきたとはいえ、まさにこれから退職金をもらおうという世代は、新卒から同じ会社に勤めているという人も多いでしょう。

そんな人は「勤続年数」に注目することで、Aさんが味わった後悔を回避できる可能性があります。

また、現役時代の収入との差に少し驚いてしまうかもしれませんが、再雇用での収入も侮れません。せっかくもらった退職金を守るという意味でも、生活水準の見直しに向き合うことで、不安を安心に変えたいところです。

退職金控除の課税制度は今後も改正されていくことが想定されます。最新の制度を自身で確認するようにしましょう。

石川 亜希子
AFP