「孫のためなら、できることは全部してあげたい」。そう願うのは、祖父母としてごく自然なことです。時間にも心にも少しゆとりが生まれる老後だからこそ、孫の存在は新たな生きがいにもなります。しかし、その善意が暴走すると、気づかぬうちに自身の首を絞めてしまう可能性も……。69歳女性の事例を見ていきましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
愛する孫のためだもの…年金月13万円・貯金3,000万円の69歳女性、念願の初孫に“全力の愛”を注いだ結果、長男の嫁から告げられた「まさかの一言」
待望の初孫誕生で“とにかくはりきる”69歳女性
「孫が、かわいくてかわいくて仕方がないんです」
サトコさん(仮名・69歳)は約10年前に夫を亡くし、現在は、相続した自宅でひとり暮らしをしています。
夫が遺してくれた遺産約3,000万円には手をつけず、遺族年金とパート収入で慎ましく暮らしてきました。大きな贅沢はせず、「自分ひとりが食べていければ十分」という考えだったといいます。
しかし、69歳を迎えた頃に体調を崩し、パートを辞めることに。現在の収入は、月に約13万円の年金だけです。
通院費もかかるようになり、少しずつ貯金を取り崩す生活に変わっていきました。それでも、夫の遺産もあることから「まだ余裕はある」と、あまり不安を感じてはいませんでした。
そんなサトコさんに最近、なによりもうれしい出来事がありました。5年前に結婚したひとり息子とその妻とのあいだに、待望の第1子が誕生したのです。サトコさんにとっては念願の初孫です。
小さな手足、泣き声、寝顔……その一つひとつが愛おしく、「この子のためならなんでもしてあげたい」という思いが自然と湧き上がってきます。
息子の妻・ナツミさん(仮名・34歳)との関係も良好で、子どもが生まれてからも3人でよく遊びに来てくれました。
息子一家がリビングに入るやいなや、サトコさんは決まって声をかけます。
「足りないものはない?」「困ってることはない?」「子育てってお金がかかるでしょう」
チャイルドシートやベビーカー、洋服、おもちゃ……ときには現金も包みました。愛する孫のためにできる限りのことをしてあげたい、その一心での行動でした。