ユウキさんと母親の「その後」

ユウキさんは電話ではなく、実家に出向き直接話をすることに。

おそるおそる実家を訪ねると、母はそっけない態度でしたが、ユウキさんは落ち着いて丁寧に説明。

「母さんにはすごく感謝しているけど、自分には家族を幸せにする義務もあるんだ。だからいまは一緒に住めない。どうかわかって欲しい」

すると、息子の真摯な思いに心を打たれたのか、シズエさんも自身が長いあいだ抱えていた思いを告白。それから3ヵ月ほど経って、シズエさんは息子一家の新居を訪問する運びとなりました。

「いつまでもあると思うな親と金」ということわざもありますが、ユウキさんも親に甘えすぎていたことを反省した様子。親子であっても、離れて暮らしている期間が長くなると、お互いの価値観や期待値にズレが生じることは珍しくありません。

コミュニケーションツールの多様化で簡単に連絡を取ることができる時代ですが、直接顔を合わせ、互いに正直に思いを伝えることで解決できることも、まだまだ少なくないようです。

山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表