世帯年収1,300万円で“順風満帆”のはずが…夫の「ひと言」に衝撃

大前千佳さん(仮名・49歳)は、今年で結婚25年目になる夫、俊さん(仮名・53歳)との2人暮らしです。子どもはいません。大手メーカーの子会社で課長職に就いている俊さんの年収は850万円、人材派遣会社で経理を担当している千佳さんの年収は450万円で、世帯年収は1,300万円あります。

15年前に購入した持ち家の住宅ローンはあと10年残っていますが、それ以外の負債はなく、これまでお金の心配をしたことは特にありません。

生活費は給料日に一定額を出し合い、妻が管理。それ以外の本人名義の預金についてはお互い把握しておらず、好きに使っていいというルールになっています。

夫婦仲は良好で、長期休みには温泉旅行に出かけたり、週末には夫婦いっしょに推しのアーティストのライブに行ったりと、充実した日々を過ごしています。

しかし、そんな生活を続けていたある日のこと。夕飯時、俊さんが浮かない顔で話しはじめました。

「あのな……言いづらいんだが、うちの会社が人員整理をはじめて、どうやら俺も対象になりそうなんだ……」

実は数日前、俊さんの勤務先の親会社が大規模なリストラ策を打ち出していたのです。

まったく予想していなかったわけではありませんでしたが、実際に夫の口からその話を聞いた千佳さんは目の前が真っ暗になりました。

「夫がリストラされたら、生活はどうなるんだろう……」

千佳さんは急激な不安に襲われました。

みんなやってるのね…ランチで耳にした“良い話”

数日後、千佳さんが職場仲間とランチをしていると、後輩と同僚が次のように話しているのが聞こえてきました。

後輩「そういえば私、半年前から親戚に勧められて株をはじめたんですよ。叔父に100万円渡されて、これ(特定の銘柄)買っておけば間違いないからって言われて。私は株のこと、よくわかってないんですけどね……」

 

同僚「あ、そうなの? 私もNISAで投資してるよ~。去年からNISAで毎月3万円ずつ積立投資。いまのところ、順調に増えてる」

これを聞いた千佳さんは、「投資ってみんなやってるのね……私、乗り遅れてるのかもしれない」と、焦りに似た感情を持ちました。

千佳さん自身は社会人になって以降、生活費とお小遣い以外のお金はすべて定期預金に預けてきました。その結果、定期預金残高は約1,500万円あります。一方、元本が保証されていない金融商品に投資した経験はありませんでした。

夫のリストラ話にショックを受けた矢先に耳にした投資話。千佳さんは「私も投資でお金を増やしたい」と思うようになったそうです。