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相談でわかった家計と投資方法の問題点
Aさん夫婦は共働きで、2人とも収入があります。そこで、結婚後は、住宅費や水道光熱費、日用品費はAさんが担当する、食費や子どもにかかる費用は妻が担当する、と大まかに決め、その他の費用は独身時代と同じようにそれぞれが支出していました。
2人の支出を具体的に見てみると、2台分の自動車保険・ガソリン代・駐車場代、生命保険の保険料、スポーツジムの会費、スマートフォンなどにかかる通信費、複数の動画配信サービス利用料、交際費、被服費、美容費、医療費、急に必要になるお祝いなどの費用・旅行費用・家電購入費などです。
Aさんは、給与やボーナスの中からいくら使っていくら残せているか把握していません。いつのまにか銀行口座には、ほとんど現金がなくなっていました。急な支出があるときは、運用商品の価格が下がっているときでも売却するしかありません。
手取り収入と支出を把握できていないうえに、短期間で運用商品の売買を繰り返していたため、“増えたという実感が持てない”状況になっていたのでした。
資産形成を始める前に考えなければならないこと
結婚、出産、住宅の購入、子どもの入学・卒業など、人生には、さまざまなライフイベントがあります。仕事をリタイアするときに備えて老後資金の準備も必要です。資産形成を始める前に、まず、ご自身やご家族の夢や希望、計画などを具体的に表したライフプランを考えてみましょう。そのために、いつごろ、どれくらいのお金が必要か、そのお金を準備するには、いくらくらい貯蓄していかなければならないかを毎年・毎月に落とし込んでいきます。
資産を4つに分けてみると、資産形成の方法がわかりやすくなります。
- 日常生活に必要なお金
- 急な出費に備えるお金(生活費の3ヵ月~1年分)
- 10年程度の期間に使い道が決まっているお金
- 当面使う予定のないお金
そのうえで、手取り収入のなかから、①日常生活に必要なお金や②急な出費に備えるお金は、普通預金などの口座に、③10年程度の間に使い道が決まっているお金は、定期預金や個人向け国債などを活用して安定して増やしていきます。④当面使う予定のないお金で投資を行うと、長期間の運用が可能になります。
