価値観の多様化、外部環境の変化とともに、20年以上も連れ添った夫婦の離婚が増加しています。長い時間をともにした夫婦関係を断ち、熟年離婚に至るのにはどのような理由があるのでしょうか? 本記事では、山口一夫氏の著書『シニアライフの人生設計』(ごきげんビジネス出版)より、熟年離婚の理由を考察していきます。
5:相手の親の介護に疲れたから
自分の親に加えて配偶者の親も介護が必要となり、そのストレスから離婚するパターンです。団塊世代以前に生まれた女性たちは結婚後、専業主婦として働いていた人が多かったことと思います。彼女たちは子育てがひと段落すると、自分やパートナーの両親の世話をすることがまるで彼女たちの仕事のように、不平等な役割を仕方なく受け入れて長年生きてきました。
そのような理不尽な境遇に一石を投じたのが、2000年からはじまった介護保険制度です。この制度によって私たちは保健・福祉・医療にわたる、さまざまな介護サービスを安価で受けられるようになりました。私は自分の経験(父は自分と介護保険サービスの支援で、ほとんど応援しきれたこと)からも介護保険制度に心から感謝しています。この制度がなかったら嫁としての妻の自由をどれだけ奪い迷惑をかけたことかと、おそろしくなります。
6:相手の介護をしたくないから
これはパートナーの介護がイヤで離婚するパターンです。パートナーから見放されないためには常日頃からの関係づくりが何よりも大切です。お互いに相手を尊重し、助け合う気持ちで日々を過ごしたいものですね。
以上6つの理由それぞれが「なるほど!」と考えてしまいませんか? パートナーをもつ人は誰もが離婚や別離のリスクを負っているのです。
山口 一夫
ライフデザイン講師