
実績が、実績見込みや見通しの推計値から大きく変化することもある
また、国民負担率をみるときには、実績が前年以前に示されていた実績見込みや見通しからどの程度変化しているかにも注意が必要だ。
実績見込みは、年度途中で、今年度末までの実績を見込むもの。見通しは、来年度の見通しを示すものだ。これらは、経済動向の前提に基づく、国民所得や税収などの推移を反映した“推計値”だ。前提の置き方によって、推計値は変わってしまう。
これまでに公表された国民負担率の実績をみると、2023年度の実績(46.1%)は昨年示された実績見込みと同じだったが、2022年度の実績(48.4%)は一昨年示された実績見込み(47.5%)や3年前に示された見通し(46.5%)よりも高かった。2024年度についても、来年示される実績をしっかりとフォローしていくことが必要と考えられる。
以上をまとめると、日本と欧州諸国の国民負担率の差は、今後さらに縮まっていくかもしれない。世界で最も高齢化が進む日本では、国民負担率の動向について、引き続き、注意していく必要があると言えるだろう。
(参考資料)
「令和7年度の国民負担率を公表します」(財務省ホームページ,令和7年3月5日)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/topics/futanritsu/20250305.html
「広辞苑(第七版)」(岩波書店)
「ポイント所得税・個人住民税の定額減税」(首相官邸ホームページ,政府与党政策懇談会資料,令和5年10月26日)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/s_kondan/pdf/r051026_siryou.pdf