
通ると疑わなかった「住宅ローン審査」まさかの否決
審査の結果、銀行から満額の融資は難しいという回答。「絶対に大丈夫!」と太鼓判を押されていただけに、よくわからない感情が芽生えてきました。
――俺に金を貸せないだと!
思わず、不動産会社の営業担当に怒りをぶつけてしまったといいます。住宅ローンの審査結果は「可決」または「否決」として伝えられても、具体的な否決理由は開示されないのが一般的です。担当者は「山田様のお仕事や年収は申し分ないのですが…、勤続年数が……」と言葉を慎重に選びながら、「金融機関によっては、勤続年数が3年以上ないと、ローン審査が厳しい場合があるんです」と説明しました。
山田さん、ヘッドハンティングされ転職し、まだ1年半ほど。転職前は年収が低く、10年以上同じ会社で働いていました。
――まさか、転職したことが、こんな形で響いてくるとは……
転職によって年収は上がったが、勤続年数がリセットされたことが住宅ローンの審査に影響するとは思いもしませんでした。
国土交通省『令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査』で、金融機関が融資を行う際に考慮する項目としてあげたものをみていくと、トップは「完済時の年齢」で98.5%。「勤続年数」については93.6%が考慮すると回答しています。
【融資の際に考慮する項目】
・完済時年齢…98.5%
・健康状態…96.6%
・借入時年齢…96.0%
・年収…94.0%
・勤続年数…93.6%
・返済負担率…92.0%
・担保評価…91.8%
・金融機関の営業エリア…90.4%
・連帯保証…87.1%
・国籍…75.6%
高所得であれば住宅ローンの審査が通らないわけがないと思っていた山田さん。愕然として言葉が出てきません。そこで担当者がすかさずフォロー。
――諦める必要はありません。勤続年数が短くても、審査に通りやすい金融機関を探したり、他の条件を見直したりすることで、ローンを組める可能性はあります
さまざまな金融機関に相談し、条件を調整することで、山田さんは最終的にローン審査を通過することができたといいます。当初申し込んでいたローンよりも若干金利は高くなったといいますが、それでも夢のマイホーム実現に向けて、一歩前進しました。
[参考資料]