
サラリーマン上位3%のエリートのマイホーム計画
ITコンサルタントの山田学さん(仮名・40歳)。給与は年収1,400万円。「平均より多くもらっているとは思いますが、中途(入社)なので、これ以上は上がらないと思います」。とはいうものの、十分すぎる給与を得ています。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』で40代前半・大卒サラリーマンの月収についてみていくと、中央値は36万3,700円。上位25%で46万2,700円、上位10%で58万8,900円となります。仮に年収が月収の16ヵ月分ととすると、山田さんは月収87.5万円。大卒サラリーマンの1.8%~3.1%に入る、正真正銘の高給取りです。
【40代前半・大卒サラリーマンの給与分布】
~20万円未満:1.46%
20万~30万円未満:18.72%
30万~40万円未満:35.05%
40万~50万円未満:22.23%
50万~60万円未満:11.78%
60万~70万円未満:5.07%
70万~80万円未満:2.15%
80万~90万円未満:1.49%
90万~100万円未満:0.65%
100万円以上:1.42%
家族は妻・絵美さん(42歳)と5歳になる女の子の3人家族。子どもが小学校に進学する前にマイホームの購入を考えていました。
――娘は「プール付きのうちがいい!」と無邪気にいうものだから、さすがに苦笑いでした
山田さんはまず不動産会社を訪れます。「希望のエリアはありますか?」と不動産会社の担当者に尋ねられ、教育環境や駅からの距離、周辺環境などを考慮して、いくつかの候補地を提案してもらいました。ただいきなり条件の合う土地は見つかるほど甘くはありません。ただ妥協はできず、条件に合う土地が出てきたら連絡がほしいと不動産会社を後にしました。
そして土地探しをスタートして数ヵ月、ついに、理想の土地が見つかります。閑静な住宅街、駅からも近く、小学校の学区内。広々とした土地には、陽光が燦々と降り注いでいたといいます。
――ここに決めた!
工務店との打合せもスタートし、家族の思いを伝えていきます。「リビングは、家族みんなが集まれる広々とした空間にしたい」「娘が遊べる庭が欲しい」「地震に強い家がいい」……何度も打合せを重ね、ようやくプランが確定。最終的な見積りとともに住宅ローンを申し込みます。
借入れは1億円ほど。不動産会社からは「山田さんの年収であれば余裕です」と太鼓判。工務店から提案を受けた図面を見ては、近いうちに完成するだろうマイホームを思い描いていたところ、思いもしない出来事が起きたといいます。
――実は、山田様、住宅ローンの件ですが……