年金収入だけではゆとりのある生活が難しいいま、老後への備えは必須です。ただ、定年直前に焦って準備を始めると、取り返しのつかない事態に陥ってしまうことも……。貯金と退職金で「老後は安泰」だと信じていたサラリーマンの事例をみていきましょう。神戸・辻本FP合同会社代表の辻本剛士氏が解説します。※プライバシー保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

(※写真はイメージです/PIXTA)
悔しい…〈年収750万円・貯金2,000万円〉定年直前の59歳サラリーマン、同僚の“余計なお世話”が招いた大惨事。たった半年で貯金の半分を失ったトホホな理由【FPが警告】
陽介さんと同僚Aさんの“末路”
わずか半年で1,000万円もの資産を失った陽介さん。あれほど順調だった日々が一瞬で崩れ去るとは思いもしませんでした。
悔しい……でも、自分が悪いから誰も責められない。
暗澹たる思いを抱える陽介さんは、ふとAさんのことが気になり様子を探ってみることに。すると、驚きの事実が判明しました。Aさんもまた「追証(追加保証金)」を求められ、財産の大半を失っていたのです。
(アイツ、最初は500万円儲けたって言っていたのに。結局俺と同じか、それ以上にやられてるじゃないか)
さらに、Aさんの家では先物取引での大損がバレ、離婚話まで出ているとのこと。陽介さんの胸がきつく締めつけられます。なぜなら陽介さんも、妻には内緒で始めた投資。まさか、半年で1,000万円も溶かしてしまうとは……。
悔しい……やってしまった。妻になんて説明すればいいんだろう……。
自宅へ向かう足取りは重く、いままで感じたことのない後悔と不安が押し寄せていました――。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表