「安泰の老後を手に入れるため」だったはずが…

その後、含み益が順調に増え、先物取引の魅力を少しずつ実感し始めた陽介さん。スマートフォンで相場のニュースを確認すると、どのメディアも「景気回復が続く」「株式市場はさらなる上昇を期待」などと楽観的な見通しを伝えています。

陽介さん「なあ、投資額を増やそうか悩んでるんだけど、どう思う?」

慎重な陽介さんがこう尋ねると、Aさんは即答しました。

Aさん「そりゃ増やすべきだろう。まだまだ市場は上がる。お互い安泰の老後を手に入れようや」

Aさんに背中を押され、陽介さんはついに決断。

陽介さん「よし、いっちょやってみるか!」

相場の上昇を信じて疑っていない陽介さんは、思い切って1,000万円を追加投資。運用する銘柄についても再考し、3銘柄のうちパフォーマンスがよく、相性もいいと感じていた「日経225先物」に絞ることにしました。

日経平均は4万円を突破!陽介さんの頭のなかは…

陽介さんが投資額を増やした2024年2月、日経225(日経平均株価)は3万6,000円前後で推移していました。その後も相場は上下動を繰り返しながらじわじわと上昇を続け、3万8,000円を超えます。

(このまま順調にいけば、かなりの利益になりそうだ……)

もはや最初に抱いていた慎重な気持ちは、どこかに行ってしまったようです。

そして3月、日経平均株価はついに史上最高値を突破。日経平均が4万円に達するのは、1989年以来です。ニュースでは連日「史上最高値更新」「日本経済は新たなステージへ」などと報じられ、世間も投資家たちも沸き立ちます。

陽介さんの利益も順調に膨らみ、含み益は500万円に到達しました。

(このまま行けば、まだまだ上がるぞ!)

一部の専門家は「日経平均株価が5万円まで上昇する」と強気の予想。陽介さんもすっかりその予測を信じ、今後のさらなる利益に胸を躍らせていました。

相場は調整局面もあったものの、再び上昇。7月には4万2,000円に達し、陽介さんの利益もついに800万円に到達しました。いまや、陽介さんの頭のなかには不安など一切ありません。

(まだまだ上がる、もっと増やせる!)