オーナーチェンジ物件のメリット
ここまで紹介したように、オーナーチェンジ物件にはリスクやデメリットがある一方、プラスに考慮すべき点もあります。オーナーチェンジ物件だからこそ得られるメリットについて解説します。
すぐに賃料収入を得られる
オーナーチェンジ物件の最大のメリットは、購入後すぐに安定した賃料収入を得られることです。
例えば新築物件の場合、想定賃料で投資判断をしたとしても、実際の相場や需要によっては予定通りの賃料設定ができず、想定の賃料を下回ってしまうことも珍しくありません。また、想定賃料に注力しすぎてしまい入居者が見つからず、長期間の空室による機会損失が発生するリスクもあります。
この点、オーナーチェンジ物件では実際の賃料収入が明確なため、より現実的な収支計画を立てることができます。また、管理状況や入居者の支払い履歴なども確認できるため、収益性の判断材料も豊富です。
ローンの審査においても賃料収入が想定しやすい
オーナーチェンジ物件は、すでに安定した賃料収入が確保されていることもあり、金融機関側も賃料収入の想定をしやすいという特徴があります。
これは、実際の賃料収入や入居者の支払い履歴などの実績データを示せることで、収益物件としての評価を得やすく、融資審査でプラスの材料となります。
ただし、これはあくまでも審査項目の一つであり、借入申込者の年収や他の借入状況、物件の立地や築年数など、総合的な判断によって融資の可否が決定されます。
初期費用を抑えられる
一般的に、不動産投資にあたって用意すべき初期費用は、物件価格の15%〜30%ほどといわれていますが、オーナーチェンジ物件は、中古物件なので新築物件と比べて購入価格が安価になります。そのため、購入時の初期費用も少なくて済みます。
抵当権設定登記費用や不動産取得税などは物件価格に応じて算出されるため、不動産取得時に必要となる諸費用は新築物件と比べて安価になります。不動産投資の初期費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
【関連記事】不動産投資の初期費用はいくら?費用を抑えるコツやシミュレーションを紹介
割安で購入できることもある
オーナーチェンジ物件では、内見が難しいなどのデメリットがあることから、同等の立地・築年数の空室物件と比べて割安な価格で取引されることがあります。
とはいえ、将来的な値上がり益(キャピタルゲイン)は必ずしも期待すべき事項ではなく、現状の収益性やリスクをしっかり見極めたうえでの購入が重要です。また、賃借人の退去後にリフォームや再募集を行い、キャピタルゲインを狙う方法もありますが、これらはあくまで副次的なメリットとして捉え、慎重に検討することをおすすめします。
過去の入居状況などのデータを得られる
オーナーチェンジ物件では、実際の運用実績に基づいた様々なデータを入手することができます。対象エリアの賃貸需要や適正な賃料水準といった一般的な情報に加えて、現入居者との具体的なやり取りの履歴も確認することが可能です。例えば、賃料の支払い状況、修繕依頼の頻度や内容、近隣とのトラブルの有無など、物件の運営に直結する重要な情報を得ることができます。
これらの情報は、投資判断の際の重要な判断材料となるだけでなく、購入後の運営方針を検討する上でも非常に有用です。新築物件や空室物件では得られない、実際の運用に基づいた具体的なデータを活用できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

