会社員としてどれだけ高収入だったとしても、厚生年金の加入期間が短ければ、公的年金の受給額は少なくなる可能性があります。年金は収入の多さだけで決まるものではなく、どれだけ長く保険料を納めたかが大きく影響するからです。これは多くの人が意外に知らない公的年金制度の仕組みかもしれません。今回、現在は高収入の55歳会社員男性を事例に、公的年金の仕組みと取れる対策について南真理FPが解説します。
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年収1,000万円なのに…名門大学院卒の55歳会社員夫と暮らす専業主婦、老後も安泰のはずが一転、夫の年金見込額「月9万円」の想定外に絶句【FPの助言】
洋祐さんの公的年金の加入期間と年金額は?
洋祐さんは、20歳から大学院を卒業する4年間(48ヵ月)は、年金を納めていません。24歳から50歳の誕生日を迎えるまで国民年金に26年間(312ヵ月)加入していました。そして、50歳から10年間(120ヵ月)は厚生年金に加入します。
洋祐さんは60歳で今の会社を退職した場合、年金額は月約9万円となります。咲子さんは専業主婦なので、国民年金のみ月約6.8万円です。洋祐さんは、国民年金の加入期間が長く、このままでは夫婦合わせた年金額が月約16万円になる想定です。
公的年金は加入期間が年金額に関わってきます。洋祐さんのように、国民年金の加入期間が長く厚生年金の加入期間が10年間という短さであれば、いくら今の時点で高収入でも、将来の年金額は想像よりずっと少なくなります。