
高校時代の同窓会を仕切る、県庁勤めの同級生
さらに「就職まで見据えて上京したのに無駄だった」と思ってしまうことがあったと青木さん。それは恩師が定年退職を迎えるにあたり、久々に高校時代の同窓会が行われたときのこと。両親は祖父母の介護のため他県に引っ越していたため、青木さんが地元に帰るのは、30代前半、友人の結婚式以来、10年以上ぶりだといいます。
懐かしい面々との再会に、同窓会は大いに盛り上がったといいます。今回の同窓会の幹事を任された同級生は、高校時代、クラスのリーダー的な存在で、高校卒業後、地元の国立大学に進学。現在は県庁で働いています。
そして1次会は無事終了し、2次会へ。お酒もまわり、いろいろな暴露話も出てくるころ。給与といった、かなりこみいった話にもなりました。「青木は大企業で働いてるから結構もらっているんだろ~」と周囲から絡まれたといいますが、そこは冷静に対応。惨めな思いをすることはわかっているので、決して真実を話すことはありません。さらに話は県庁で働く幹事にも。「公務員だから。普通だよ、普通、800万円いかないくらい」とさらりとぶっちゃけ。青木さんは心のなかで「いいなあ」とポツリ。
総務省『令和5年度地方公務員給与の実態』によると、地方公務員の給与月額合計は404,765円、平均基本給月額は342,051円で、平均年収は約667万円(6,678,622円)でした。もちろん、これは平均値。職務の「級」や、職務の習熟を給与に反映させる「号」などにより、給与は変わります。また公務員の給与は民間準拠。ただその水準は、大企業の平均には及ばないものの匹敵するレベル。青木さんの収入よりは多いのは明らかでした。
――高校時代、東京にいけば未来が開ける気がしていましたが、そんなことはありませんでした。わざわざ上京しても意味なかったなと惨めな思いをするとは、思ってもみませんでした
[参考資料]