寒さが続くなかでも、少しずつ、春が近づきつつある昨今。春には進学や就職で多くの若者が都会に出てきます。「都会のほうが稼げるから」。そんな理由の人ももちろんいるでしょう。しかしすべての人が思い描いていた通りの給与を得られるとは限らないようです。
わざわざ上京しても意味なかったな…「月収42万円」東京の有名私大卒の〈45歳サラリーマン〉、同窓会の幹事を務めた〈地元国立大卒の同級生〉がさらりとこぼした「羨望の給与額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

高校時代の同窓会を仕切る、県庁勤めの同級生

さらに「就職まで見据えて上京したのに無駄だった」と思ってしまうことがあったと青木さん。それは恩師が定年退職を迎えるにあたり、久々に高校時代の同窓会が行われたときのこと。両親は祖父母の介護のため他県に引っ越していたため、青木さんが地元に帰るのは、30代前半、友人の結婚式以来、10年以上ぶりだといいます。

 

懐かしい面々との再会に、同窓会は大いに盛り上がったといいます。今回の同窓会の幹事を任された同級生は、高校時代、クラスのリーダー的な存在で、高校卒業後、地元の国立大学に進学。現在は県庁で働いています。

 

そして1次会は無事終了し、2次会へ。お酒もまわり、いろいろな暴露話も出てくるころ。給与といった、かなりこみいった話にもなりました。「青木は大企業で働いてるから結構もらっているんだろ~」と周囲から絡まれたといいますが、そこは冷静に対応。惨めな思いをすることはわかっているので、決して真実を話すことはありません。さらに話は県庁で働く幹事にも。「公務員だから。普通だよ、普通、800万円いかないくらい」とさらりとぶっちゃけ。青木さんは心のなかで「いいなあ」とポツリ。

 

総務省『令和5年度地方公務員給与の実態』によると、地方公務員の給与月額合計は404,765円、平均基本給月額は342,051円で、平均年収は約667万円(6,678,622円)でした。もちろん、これは平均値。職務の「級」や、職務の習熟を給与に反映させる「号」などにより、給与は変わります。また公務員の給与は民間準拠。ただその水準は、大企業の平均には及ばないものの匹敵するレベル。青木さんの収入よりは多いのは明らかでした。

 

――高校時代、東京にいけば未来が開ける気がしていましたが、そんなことはありませんでした。わざわざ上京しても意味なかったなと惨めな思いをするとは、思ってもみませんでした

 

[参考資料]

総務省『住民基本台帳人口移動報告』

厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査(速報)』

総務省『令和5年度地方公務員給与の実態』