現代社会では、学歴や職業がしばしば人の価値を測る基準として重視されがちです。しかし、経済的な成功や社会的な地位を得るために重要視される学歴は、果たして本当に人間の価値を決定づけるものなのでしょうか。特に、家庭内で「できない自分」を否定され続けた子どもたちが、社会に出たときに感じる生きづらさは計り知れません。経済的な成功を追い求めるあまり、自己肯定感や安心感を犠牲にしてしまうことが、最終的には心身の健康に悪影響をおよぼすこともあります。公認心理士でもある精神科医さわ氏の著書『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』(日本実業出版社)より、みていきましょう。
「なにがしたいのかわからない」教育熱心な父に責められ続けた息子…“安心できない家”で育った子どもの悲しすぎる未来【精神科医が警鐘】 (※画像はイメージです/PIXTA)

子どもが“心から安心できる”家に

人間としての土台がつくられる幼少期から思春期ごろまでの子どものいる親御さんに知っておいてほしいことがあります。

 

なにより大事なのは、家庭の中が子どもにとって安心できる居場所であること。親との関係に悩む子どもは、「自分はいてはいけない存在」と感じてしまうこともあります。社会に出れば、それまで以上に困難にぶつかったり、評価されなかったりすることも出てくるでしょう。そういうときに「安心」という根っこがないと、「やっぱり自分はダメな人間なんだ」と思ってしまうのです。

 

だからこそ、子どもを育てるうえでは安心感がもっとも大事だということを、いつも忘れないでください。自分の言ったことを受け入れられて、自分の気持ちをわかってもらえて、安全が守られ、排除されず、たとえまちがっても許される場所。子ども時代には、そんなふうに心から安心できる場所が必要なのです。

 

児童精神科医のつぶやき

とくに子ども時代は、家庭を心から安心できる居場所に

 

 

精神科医さわ