
「仕事を辞めたら廃人になるのでは」と心配される元教師
元教師の小林浩之さん(仮名・65歳)。60歳で定年を迎えたあと、再任用教員としてフルタイム勤務で働きました。任期は1年、最長5年。65歳で年金生活がスタートしました。一方、同じ教員の妻は2つ年下。小林さんと同様に、再任用教員として働いています。夫婦水入らずの老後のスタートは、あともう少し。
とにかく真面目で面倒見がいいと評判だった小林さんですが、周囲からは「仕事を辞めたらどうするのだろう」と心配されていました。趣味らしい趣味もなく、24時間教師モードだったため、教師でない小林さんを誰も想像できないというのです。「生きがいをなくして、廃人になってしまうのでは?」と本気で心配する人までいたほどです。
【高齢者に聞いた「生きがいを感じていますか?」】
■ポジティブ
・十分感じている…30.6%
・多少感じている…47.0%
■ネガティブ
・あまり感じていない…18.4%
・感じていない…3.0%
出所:内閣府『令和4年度 高齢者の健康に関する調査』
【高齢者に聞いた「現在の楽しみや喜びを感じることの有無、内容」】
・国内旅行(宿泊)…37.3%
・家族や友人など親しい人たちとの団らん…37.1%
・読書・音楽鑑賞…20.5%
・家庭菜園・園芸・ガーデニング…18.5%
・日帰り観光…18.2%
・1時間以上の運動・スポーツ・武道…17.3%
・外食…16.1%
・インターネットショッピング…13.8%
※株式会社日本総合研究所『「高齢者の生きがい等意識調査2024」』より10%を超えたものをピックアップ
――ヒドイいわれようですが、そこまで心配されるとは思ってもみませんでした。私にも仕事を辞めたら挑戦したいことはあるんですよ
そう笑う小林さん。そして65歳から始めたチャレンジに、周囲の人たちは度肝を抜かすことになったといいます。