女性のほうが長生きする傾向にあるため、夫の死後に妻が1人残されるケースは少なくありません。その際に大きく変わるのが年金受給額。想像以上の減少に驚いたという声も多く聞かれます。そこで、今回は老後の生活に大きな変化が起こった田中さん親子の事例と共に、いざというときに役立つ「年金生活者支援給付金」についてCFPの伊藤寛子氏が解説します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
もっと早く帰っていれば…1年ぶりの帰省で発覚した実家の「変わり果てた様子」に息子呆然。年金暮らしの81歳母が涙ながらに語った“困窮”の理由【CFPの助言】
親子のコミュニケーションが家族とお金の問題の解決の鍵
「こんな給付金があったなんて全然知らなかった」
田中さんと母はそう話しながら、まずはできることからと年金生活者支援給付金の給付申請手続きを行い、給付を受けられるようになりました。
家も少し片づき、落ち着いてきた母と改めて今後の暮らしについて相談をしました。ですが、やはり今から東京で暮らすのは負担も大きく、実家から離れたくない、という意思は変わりません。
今のところ健康状態に大きな問題はないことから、田中さんが生活費の援助として仕送りをすることで、母は実家で一人暮らしを続けることになりました。
田中さんは、母を長い間放っておいたことを反省し、母の様子や困っていることがないかなど、以前よりもこまめに連絡を取って確認するようにしました。
親子でコミュニケーションを取っておくことで、変化に気づいて、早めの対処をすることができるでしょう。家族とお金の問題は、お互いの状況を理解して、早めに話し合うことが解決の鍵となります。
伊藤 寛子
ファイナンシャル・プランナー