4~5組に1組は熟年離婚…介護問題も要因のひとつ
あまりに図々しい考えに、何ともいえない感情を抱いたという恵子さん。まったく納得ができません。そこへ浩一さんが不用意なひと言。
――別にいいじゃないか、仕事を辞めて暇なんだし
――はぁ!?
仕事を辞めたとはいえ、家事全般はすべて恵子さんがやっています。何よりも定年後に仕事を続けるか、それとも辞めるかを夫婦で話し合ったとき「仕事から離れて一度ゆっくりしよう」と決めたはず。しかし義母の介護を前に、このことがすっかり抜け落ちている浩一さんに腹が立って仕方がなかったといいます。さらに長男の嫁に介護してもらったら、費用を浮かせるんじゃないか――そんな考えも透けてみえてきました。そうなると、中村家の一員でいることに嫌悪感を覚え、「離婚」という選択肢が急浮上してきたといいます。
――心が狭いと思いつつ、穏やかに過ごしたいという夢を軽く考えてほしくないんです。定年後の生活だって限られているわけですし
熟年離婚は、結婚生活が20年以上続いた夫婦の離婚を指し、特に50代以上の夫婦に多く見られます。2023年のデータによると、離婚した夫婦のうち、熟年離婚の割合は23.5%に達し、過去最高を記録しました。これは、全体の離婚件数が減少している中で、熟年離婚が高止まりしていることを示しています。
熟年離婚の原因としては、長年の結婚生活のなかで浮き彫りとなった「価値観の不一致」や、女性の社会進出が進んだことによる「経済的自立」のほか、中村さん夫婦のように「介護問題」もそのひとつ。親の介護はもちろん、夫婦それぞれが介護に直面したときに、離婚の引き金になることも。
結婚生活が長いからこそ、複数の要因が絡み合って引き起こされる「熟年離婚」。その予兆は、きっとどこかにあるはず。積み上げてきたものが一気に崩れることを防ぐためにも、いまいちど夫婦関係を見直してみたらどうでしょうか。
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