年末年始の帰省ラッシュがまもなく訪れるなか、かわいい孫との時間を楽しみにしている祖父母の方も多いのではないでしょうか。しかし、喜びの一方で「孫疲れ」とも呼ばれる負担を感じている方も少なくありません。今回は、年金暮らしの鈴木さん夫婦(仮名・70代)の事例とともに、年末年始の孫との楽しい時間を維持しつつ、自分たちの「健康と家計」を守るヒントについて、南真理FPが解説します。
お正月が怖いです…。年金暮らし70代夫婦、孫7人が勢揃いする年末年始を楽しみにしている一方、内心抱える〈切実な悩み〉【FPの助言】
鈴木さん夫婦が孫に使っているお金はいくら?
まずは、鈴木さん夫婦が孫に「何に」「どれだけ」お金を使っているのか確認していきましょう。
―プロフィール
●夫:鈴木憲正さん(73歳、無職)
●妻:鈴木恵美子さん(71歳、無職)
・長女(45歳・会社員):孫2人(中学校2年生、小学校6年生)
・長男(43歳・地方公務員):孫2人(小学校5年生、小学校3年生)
・次男(41歳・会社員):孫3人(小学校4年生、小学校1年生、年中)
※長女は近所に住んでおり、週末たまに夕食を共にしています。
※長男・次男は遠方に住んでいるため年末年始に帰ってきます。
―鈴木さん夫婦の年金と金融資産
〈年金〉
世帯の年金合計額:年300万円(月25万円)
(内訳)
鈴木憲正さんの年金額:年228万円(月19万円)
鈴木恵美子さんの年金額:年72万円(月6万円)
〈世帯の金融資産〉
預貯金:1,500万円
―鈴木さん夫婦の孫への支出額
年25万円
(内訳)
お年玉:年5万円
年末年始の食費等:年10万円
お小遣い、お祝い金、誕生日プレゼント等:年10万円
鈴木さん夫婦は、日々の生活費(食費や光熱費、通信費、日用品費等)は、年金で賄っています。孫に使うお金の不足分は、貯蓄から捻出している状況です。
現在、まだ小さい孫が多いのでお年玉の金額が少ないですが、例えば高校生以上の相場は1人に対して5000~1万円程度です。年末年始以外に渡すお小遣いの金額もアップしますし、プレゼントなども小学生と高校生では欲しがるものがまったく違ってきます。食べる量が増える分、食費も一層増えるでしょう。
そう考えると、年間25万円で済んでいるのは今のうちだけ。孫が育っていけば、それよりずっと費用がかさむ可能性が高くなります。