会社から支払われる給料がなかなか上がらない、金融機関にお金を預けても利息がなかなか増えないという現代において、注目を集めているのが「不動産投資」です。不動産投資には「家賃収入を得られる」というメリットがありますが、得た家賃収入で暮らすにはどのようなことをすればよいのでしょうか。この記事では、そもそも家賃収入とは何かという基本的なことをはじめ、家賃収入だけで暮らすために必要な金額や、家賃収入で暮らすためのポイント・注意点などについて詳しく解説します。

 

家賃収入で暮らすとはどういうことか?

そもそも、家賃収入で暮らすとはどういうことなのでしょうか。ここでは家賃収入を得る仕組みや収益など、不動産投資の基本について解説します。

 

そもそも家賃収入とは何か?

家賃収入とは、自分が所有する不動産(アパート・マンション・一戸建て)などをほかの人に貸し出して、借り主から得る賃料のことです。家賃の支払いは毎月発生するため、借り主がいる間は安定した家賃収入が得られるというメリットがあります。このように、不動産を貸して家賃収入を得る方法は「不動産投資」と呼ばれており、不労所得を得る手段として注目を浴びています。

 

家賃収入=収益ではない

不動産を貸して賃料を得る不動産投資において、注意しなければならないのは「家賃収入=収益ではない」ということです。

 

不動産を所有するためには、以下のような費用や税金などが必要になり、これらを差し引いた金額が収益となります。

 

<家賃収入より差し引かれるもの>

●借入金:不動産を購入した際の借入金

●経費:水道光熱費、管理費、修繕費、広告宣伝費

●税金:固定資産税、所得税、法人税 など

 

なお、借り主が入居する際には一般的に、家賃以外に敷金や礼金、保証金なども支払われます。ただし、敷金や保証金などは借り主の退去時に返還しなければならないため、収入ではなく負債と考えられます。

 

家賃収入だけで暮らすにはいくら必要?

前述したように、不動産投資は注目されている投資の一つですが、実際に家賃収入だけで暮らしたいと思った場合には、いくら必要なのでしょうか。ここでは、家賃収入で暮らすために必要な金額について解説します。

 

家賃収入500万~1,000万円の大家さんは約2割

まずは、不動産投資で家賃収入がいくらぐらい得られるのかを見ていきましょう。国税庁が実施した「令和3年分 申告所得税標本調査」の結果によると、合計所得金額が1,000万円を超える不動産所得者の割合は約11.6%、500万円超え~1,000万円以下の割合は23.2%となっています。詳細は以下のとおりです。

 

*不動産所得者:所得の中で不動産所得金額の割合が大きい者

 

<不動産所得者 所得金額内訳>

 合計所得階級    人員(人)   金額(百万円)   一人あたりの金額(円) 
70万円以下 15,438 10,347 670,229
100万円以下 40,864 35,242 862,422
150万円以下 97,259 119,756 1,231,310
200万円以下 102,766 179,477 1,746,463
250万円以下 94,780 212,645 2,243,564
300万円以下 85,613 234,707 2,741,488
400万円以下 143,530 498,863 3,475,671
500万円以下 110,030 491,839 4,470,045
600万円以下 79,757 436,186 5,468,937
700万円以下 59,268 383,205 6,465,631
800万円以下 44,772 334,329 7,467,368
1,000万円以下 60,576 538,960 8,897,253
1,200万円以下 34,786 379,223 10,901,598
1,500万円以下 31,021 413,257 13,321,846
2,000万円以下 25,487 436,958 17,144,348
3,000万円以下 17,727 424,174 23,928,132
5,000万円以下 8,213 306,098 37,269,938
1億円以下 2,861 188,639 65,934,638
2億円以下 543 70,319 129,500,921
5億円以下 93 24,440 262,795,699
10億円以下 11 6,378 579,818,182
20億円以下 2 2,101 1,050,500,000
合計 1,055,397 5,727,142 5,426,529

参照:国税庁長官官房企画課「令和3年分 申告所得税標本調査-調査結果報告-」

 

不動産所得者の平均所得金額は約543万円です。不動産投資で安定した家賃収入を得ることは可能といえます。

 

専業大家になるなら家賃収入は625万円以上が目標

所有する不動産を貸し出して家賃収入を得ている方のなかには、家賃収入のみで生活している「専業大家」と、会社からの給料を得ている会社員など家賃収入以外の収入もある「兼業大家」がいます。兼業大家であれば、ある程度は本業の収入で生活ができると考えられることから、家賃収入はプラスαの収入という扱いになるでしょう。それに対し、専業大家は家賃収入のみで生活するため、少なくとも手取りで500万円ほどは欲しいところです。

 

しかし、前述したように家賃収入はすべて大家の収入になるわけではなく、経費などを差し引かなければなりません。一般的に、不動産投資における経費の金額は家賃収入の20%前後とされているため、不動産所得は家賃収入の約8割と想定されます。つまり、手取り500万円を確保するためには、家賃収入が625万円以上必要になるということです。

 

また、仮に手取り1,000万円を確保するのであれば、1,250万円の家賃収入が必要になります。実際は経費を差し引いた後の不動産所得からさらに税金を支払うため、手取り額はもっと少なくなります。そのためもう少し多めに家賃収入を得る必要があるでしょう。

 

家賃収入だけで生活している人が行なっていること

家賃収入だけで生活している人は、どのようにしてその生活を手に入れたのでしょうか。ここでは、5つのポイントについて解説します。

 

一棟物件を含む複数の物件を所有している

家賃収入だけで生活している人のほとんどは、間取りやエリアなどが異なる物件を複数所有しています。複数の物件を所有することで家賃収入が増えるとともに、空室が出た場合や災害が起きた場合のリスクの軽減につながります。また、一棟物件を所有することも重要です。学生や会社員が集まりやすいなど条件の良い場所に物件を購入することで、毎月安定した収入を得られます。長期にわたって安定した家賃収入を得られれば、金融機関からの信頼度が上がり、物件を次回購入する際にローンが組みやすくなるでしょう。

 

空室が出ないようにしている

せっかく賃貸物件を所有していても、空室が多いと家賃収入が得られません。そればかりか、空室が多いために赤字が出ると、その情報が金融機関に伝わってしまいます。そうなると、次回の物件購入時にローンを組むことが困難になるため、空室対策に力を入れる必要があります。家賃収入だけで生活している方は、空室が出ないようにさまざまな工夫と努力を重ねているのです。

 

リスク対策や収支シミュレーションを行なっている

家賃収入だけで生活している方は、物件購入時にリスク対策や収支シミュレーションをしっかりと行なっています。

 

例えば、物件購入のためにローンを組む際には、金融機関によって固定金利で返済するか変動金利で返済するか選べることがあるでしょう。このような場合には、固定金利で契約すると契約期間中の利息支払いの増加を防げ、金利上昇リスクを回避できます。また、収支シミュレーションを行なう場合には、家賃収入と物件価格のみで算出した「表面利回り」ではなく、諸経費を加味した「実質利回り」やローン返済額も加味した「返済後利回り」で計算することが重要です。

 

なお、それぞれ以下の計算式で求められます。

 

表面利回り(%)=年間の家賃収入÷物件価格×100

実質利回り(%)=(年間の家賃収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

返済後利回り(%)=(年間の家賃収入-年間諸経費-ローン返済額)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

 

物件のメンテナンスやトラブル対応をしっかり行なっている

入居者が決まりやすく家賃収入も安定しやすい新築物件と比較して、築年数が経過して老朽化が進んだ物件は入居者が決まりにくくなります。そのため、物件のメンテナンスや修繕、設備の点検をしっかり行なって物件の価値を保つことが重要です。また、トラブルにもきちんと対応する必要があります。これらの対応を不動産会社に任せる場合には、対応がスピーディーな会社を選びましょう。

 

信頼できる不動産会社と付き合っている

不動産投資に成功して家賃収入のみで生活している方は、信頼できる不動産会社との付き合いがあります。信頼できる不動産会社を見つければ、大家となる方の年収や勤務先などを考慮したうえで、適した物件を紹介してもらえます。また、そのような不動産会社であれば、会社側が販売したい物件を無理やり売りつけてくることもないでしょう。

 

ただし、不動産会社と取引して物件を購入するには、ある程度まとまった金額が必要になります。自己資金が不足している場合には金融機関から借り入れることも可能ですが、不動産投資に関心のある方でも、多額のローンを組むことに抵抗を感じてしまうでしょう。

 

少額からはじめられる不動産投資

そうしたなかで不動産投資を始めるなら、不動産投資クラウドファンディングがおすすめです。不動産投資クラウドファンディングは、一般的な不動産投資と比較して次のようなメリットがあります。

 

●専門的な不動産の知識は不要

●不動産会社とのコネクション構築なども自分で行なう必要がない

●現物不動産に投資する際は多額の初期投資額や融資が必要だが、クラウドファンディングなら少額からの投資が可能

 

このように、不動産投資クラウドファンディングなら少額から不動産投資が始められるうえに、手数料無料で投資が可能なため、「不動産投資を始めたいけれどまとまった資金を用意するのが難しい」「いきなり多くの資金を投資するのは怖い」という方でもはじめやすい投資と言えます。

 

不動産投資クラウドファンディングなら「COZUCHI」

不動産投資クラウドファンディング「COZUCHI」なら、一人一人の投資スタイルに合わせ運用が出来るよう、短期で売却益を狙う「短期運用型」と、超中期で定期的な配当を狙う「中長期運用型」の2つのサービスを用意しています。

 

短期運用型は1万円、中長期運用型は10万円から投資可能なため、少額から投資を始めてみたいという方も気軽に始めることが可能です。

 

運用は投資のプロが行なうため、好きなファンドを選んで投資したあとは配当を待つだけ。物件の管理や運営はすべてプロにおまかせください。

 

COZUCHIで不動産投資クラウドファンディングを始めたい方は、インターネットから登録すれば最短15分で投資を始めることができ、スマートフォン1つで取引できます。

 

「不動産投資に興味はあるけれど、忙しくて中々時間が取れない」という方でも、気軽に不動産投資を始められるところがCOZUCHIをおすすめする理由でもあります。

 

また前述したように、家賃収入だけで生活している方は複数の物件を所有しており複数の収入源を持っています。COZUCHIで複数の物件に投資することも、複数の収入源を持つための選択肢の一つとなりますので、ぜひご検討ください。

 

家賃収入で生活するためのポイントと注意点

ここでは、家賃収入で生活するためのポイントと注意点を7つに分けて解説します。

 

物件の情報収集をこまめに行なう

家賃収入を安定して得るには、低リスクかつ高い収益性を持つ物件を購入することが必要になるため、こまめに物件情報をチェックすることが大切です。また、現在ではインターネットでさまざまな情報を得られますが、良い物件を見極める力を鍛えるためにも、物件を自分の目で直接確かめるようにしましょう。

 

可能な限り早く不動産投資を始める

不動産投資は、若いうちから始めると融資期間を長く組める、家賃収入で生活できるほどにまで規模を拡大するには時間がかかるといった理由から、可能な限り早く始めることをおすすめします。さらに、年齢が高くなると団信(団体信用生命保険)が必須のローンに申し込めない場合があるなど、マイナスの影響が出ることも考えられます。特に、複数の物件を所有しようと考えている方は、少しでも早くスタートしたほうがよいでしょう。

 

ローンを借りる前に収支のシミュレーションをする

ローンを組んで物件を購入する場合は、事前に収支のシミュレーションをすることが大切です。自分の収入に対してローンを借りすぎると収支のバランスが崩れ、ローンの支払いで生活が苦しくなってしまいます。前述したように、ローンの支払いが滞ると次回の物件購入時にローンを組むのが難しくなるため、そのような状況に陥らないよう十分にシミュレーションをすることが大切です。

 

繰り上げ返済をする

ローンを組んで物件を購入した場合は、繰り上げ返済をしましょう。早く返済すると、ローンの利息分を減らせます。特に、変動金利で借りている場合は、金利が将来的に上がる可能性があります。金利上昇リスクを回避するためにも、ローンの繰り上げ返済を行なうのがおすすめです。

 

投資の規模を広げていく

家賃収入だけで暮らすには、ある程度の規模がないと難しいものです。そのため、最初の物件の経営が軌道にのったら、投資の規模を拡大しましょう。ただし、規模を拡大する際に金融機関から追加融資を受ける可能性があることを考えると、きちんとローンを返済した実績は積みたいところです。そのためには、最初の物件として、いかに高い収益性を持つ物件を選べるかが重要になります。

 

修繕費やリフォーム代は安く抑える

安定した家賃収入を得て生活するためには、こまめに物件のメンテナンスをして修繕費用を抑えることが大切です。修繕頻度が高いとそれなりの費用はかかるものの、問題点を放置して破損などが拡大すると、かえって修繕費が高くなることが考えられます。また、不動産会社に管理を依頼している場合には、見積書に不必要な修繕費用が含まれていないかしっかりと確認する必要があります。

 

不動産投資クラウドファンディングを利用する

前述した6つのポイントを見てわかるように、現物不動産投資では自分でするべきことが多くあります。多額の初期費用や融資が必要になるなど経済的な負担が大きいことも、不動産投資を始める方にとっては不安材料になるかもしれません。しかし、不動産投資クラウドファンディングを利用すれば、毎月少額を投資するだけで不動産投資が始められます。運用は不動産のプロが行なってくれるため、専門的な不動産投資の知識が不足していても問題ありません。

まとめ

不動産投資に興味のある方は、「家賃収入で生活する」ということに魅力を感じているケースが少なくないでしょう。不動産投資をしている人のなかには、家賃収入だけで生活している方もいるため不可能ではないものの、複数物件の所有が必要になるでしょう。

 

しかし、複数の物件から安定した家賃収入が得られるようになるには、時間がかかります。多額の資金が必要なこともあり、家賃収入だけで生活できる状態を目指すのは簡単なことではありません。

 

それでも不動産投資を始めたいという方には、不動産投資クラウドファンディングの「COZUCHI」がおすすめです。短期運用型であれば1万円から始められるため、自己資金の少ない方でも不動産投資を始められます。

 

 

【監修者】

氏名:齋藤 彩(さいとう あや)

所有資格:CFP(Certified Financial Planner)、薬剤師免許

おもなキャリア:急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。

※本記事は「COZUCHI magazine」で、2024年1月30日に公開された記事の転載です。