ブライダル総研が行った「離婚に関する調査2016」によると、夫側の離婚理由で最多を占めたのは「価値観の違い」。全体の4割近くにおよんでいます。価値観とは「人生観」などの大きな捉え方もありますが、離婚のきっかけとなるのは、日常生活の「些細なずれ」であることも多いようです。本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、ささいなことで夫婦関係がこじれていった事例を紹介していきます。
年下妻は小学生の息子にしか興味がない。40代夫、年上女性と職場不倫…理由は「アジフライが食べたかった」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「焼肉の作法」には要注意

「ささいなこと」で行き違いが起きやすい状況の一つに、外での食事があります。食の作法やマナーの違いにイラッとしがちなのです。

 

私は焼肉店でケンカをしてしまうことがよくあります。たとえば二人で焼肉に行った場合、私は一度に焼くのは二枚までにしたいんです。そうすれば、肉を食べているうちに、また新しい肉が焼けている、となるわけです。なのに、一度に四枚も五枚も焼かれると、食べるのが間に合わなくて、焼きすぎになる肉も出てくるので、イラッとしてしまう。元夫がまさにそうでした。

 

なぜそんな焼き方をするのか、元夫に聞いてみたところ、「うちは兄弟が多かったから、こういう食べ方をしないと、自分の肉がなくなってしまう」と言っていました。それはそれでよくわかります。でも、いまは二人で焼肉に来てるのだから、何も競って食べなくても……と思うわけです。

 

焼肉店でなくても、そもそも飲食店で頼みすぎる人は嫌なんです。やたら多く注文するくせに自分は食べずに周りにすすめてばかりの人っていますよね? 人を気遣って頼んだつもりでしょうが、おしつけがましいというか、自分が頼んだものは自分で食べてほしい。それでその人がお金を払うならまだわかるんです。お会計は私なのに、自分で勝手にどんどん注文する人もいる。頼まれてもないのに「みんなの分を」などと言われると、正直ムカムカしてしまう。

 

もちろん、別の考えの人もいらっしゃると思います。せっかくご馳走するんだから、食べきれないくらいたくさん頼んであげるほうがいい、という考え方の人もいるわけです。でも、人のことに気を遣わなくていいから、自分が食べたいものを食べればいいと私は思います。要するにそういう人とは価値観が合わないのです。

 

ちなみに、鍋のときも私は「鍋奉行」です。具材を入れる順番があるので、絶対に人にはやらせません。こんなちょっとしたことにも、人それぞれの考え方、好みがもちろんあります。こうした嗜好や価値観や感覚が微妙にずれると人間関係はなかなかうまくいきません。

 

だから夫婦関係を維持するのは本当に大変なことですし、お互いに努力して意見をすり合わせることが大事です。ときには妥協も必要です。