「アジフライが食べたい」で不倫した夫
価値観の違いは食事の好みにもあらわれます。好きなメニューを自宅で食べられなければ、それはストレスになってしまうでしょう。実際、私のところに相談に来た中で、アジフライが食べたいのに、妻がつくってくれないので不倫してしまった、という男性もいました。
相談者の男性は40代。五歳年下で専業主婦の妻は、小学生の息子のことにしか興味がないそうです。食卓に並ぶのは、息子の好物のハンバーグやオムライスばかり。夫の好物はアジフライなのに、揚げ物は片付けが面倒だと言って、家ではつくってくれないのだそうです。
夫はそんな妻に不満を感じていました。ちょうど同じ職場に少し年上の女性がいて、仕事の相談がてら妻の愚痴をこぼしているうちに、不倫関係になってしまったとか。夫は、妻がアジフライをつくってくれないのは、もう自分のことを愛していない証拠のように感じていたのです。
先に触れたように、40代はこういう問題が起きやすく、夫婦関係にとって危険な時期です。20代で結婚したならそろそろ結婚20年です。30代ならまだラブラブな雰囲気も残っていたりしますが、40を過ぎると子育ての共同作業は一段落して、だいたいの妻の関心は子どもの進路のことばかりで、夫婦関係はどうしても冷え込んできます。
一方、40代になると夫の(妻もかもしれませんが)仕事の責任が増え、出世したり給料が増えてくるもの。だから「仕事では評価されているのに、なぜ家庭では逆なのか……」と承認欲求をこじらせて悩んでしまう人も多いのです。