ブライダル総研が行った「離婚に関する調査2016」によると、夫側の離婚理由で最多を占めたのは「価値観の違い」。全体の4割近くにおよんでいます。価値観とは「人生観」などの大きな捉え方もありますが、離婚のきっかけとなるのは、日常生活の「些細なずれ」であることも多いようです。本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、ささいなことで夫婦関係がこじれていった事例を紹介していきます。
年下妻は小学生の息子にしか興味がない。40代夫、年上女性と職場不倫…理由は「アジフライが食べたかった」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「アジフライが食べたい」で不倫した夫

価値観の違いは食事の好みにもあらわれます。好きなメニューを自宅で食べられなければ、それはストレスになってしまうでしょう。実際、私のところに相談に来た中で、アジフライが食べたいのに、妻がつくってくれないので不倫してしまった、という男性もいました。

 

相談者の男性は40代。五歳年下で専業主婦の妻は、小学生の息子のことにしか興味がないそうです。食卓に並ぶのは、息子の好物のハンバーグやオムライスばかり。夫の好物はアジフライなのに、揚げ物は片付けが面倒だと言って、家ではつくってくれないのだそうです。

 

夫はそんな妻に不満を感じていました。ちょうど同じ職場に少し年上の女性がいて、仕事の相談がてら妻の愚痴をこぼしているうちに、不倫関係になってしまったとか。夫は、妻がアジフライをつくってくれないのは、もう自分のことを愛していない証拠のように感じていたのです。

 

先に触れたように、40代はこういう問題が起きやすく、夫婦関係にとって危険な時期です。20代で結婚したならそろそろ結婚20年です。30代ならまだラブラブな雰囲気も残っていたりしますが、40を過ぎると子育ての共同作業は一段落して、だいたいの妻の関心は子どもの進路のことばかりで、夫婦関係はどうしても冷え込んできます。

 

一方、40代になると夫の(妻もかもしれませんが)仕事の責任が増え、出世したり給料が増えてくるもの。だから「仕事では評価されているのに、なぜ家庭では逆なのか……」と承認欲求をこじらせて悩んでしまう人も多いのです。