熟年離婚の原因となることも多いモラハラ。しかし、見方を変えると「本当の離婚原因」が見つかるケースもあるそうで……。本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、具体的な事例とともに熟年離婚の原因について解説します。
お手伝いさんがいても、友達とLINE、ダラダラしていたので家事は終わりません…嫌味の達人「二世副社長の夫」へ「50代専業主婦」からの猛烈な煽り (※写真はイメージです/PIXTA)

段取りが悪いのは「わざとやっている」

このケース、みなさんはどう思われるでしょうか。相談者女性は自ら望んで専業主婦になったので、自分が家事をやること自体は納得しています。でも「段取りが悪い」と夫に怒られるのは我慢できない、という相談です。

 

原因が本当に「段取りの悪さ」であるなら、改善策はあります。調理済みの食材を使えば時短になるでしょうし、お盆を使うとか片づけの時短テクもいろいろあります。「高価な食器だから片付けに時間がかかる」と相談者女性は言いますが、だったらお皿の間に紙などをはさむとか、いろいろ提案しても、相談者女性はやろうとしません。自分から段取りをよくする気がないのです。

 

そもそも、夫から「うるさい」と苦情が出ているのに、寝入りばなの時間に食洗機を使うのは、わざと嫌がらせをしているように見えなくもありません。せめて、「いま食洗機を使ってもいい?」などと聞けば、ケンカは避けられるかもしれないのに、それさえしていないのです。夫からすると一種の当てつけ、挑発のように感じてしまうかもしれません。

 

もちろん、家事のことで激しく怒る夫はよくないと思いますが、妻のほうにも改善すべき点があるように思いました。相談者女性にそう指摘したところ、「そんなことはありません」という返事。「岡野先生はいろんな夫婦を見ているからそう思うのかもしれませんが、私たちは違う」と、取り付く島もありません。

 

 

岡野あつこ

株式会社カラットクラブ

代表取締役社長