「子どもより自分のほうが優秀」と言わずにいられない母親

同じ大学の友人の話を例として紹介します。彼女は私とよく似ていて、幼い頃から「あなたはちょっと変だ」と、周りから言われて育ったそうです。小学校に上がる前に自分は異質だと自覚していて、集団生活の中に入っても、うまく振る舞うことができない。

よく話を聞いてみると、彼女の母も普通ではないのです。子どもに対する愛情がないわけではないのですが、自分がスターであるということを周りに認めさせたいタイプで、一般的な母親像とはややかけ離れた人のようでした。

感情の振れ幅が極端で、何よりも子どもと競い合おうとする気持ちが強く、自分の娘であるはずの彼女の能力が誰かに褒められたり、高く評価されて何かを受賞したりということを非常に嫌ったといいます。

たとえば「お嬢さんはとても優秀ですね」と褒められても「そんなことはない。自分のほうが優秀だ」と、自慢話が始まってしまうなど、自分の娘が褒められても、喜ぶことがなかったというのです。それでは実際には母の学歴や経歴がどのようであったかというと、特筆すべきようなことが取り立ててあるわけではない(そもそも大学に行っていない)のです。

ただ、むしろそれがかえってコンプレックスとなってしまい、自分は優秀な女性であると派手にアピールしなくてはならなかったのかもしれない、という見立てもできます。

ただ彼女は、あまりの理不尽さに、母のパーソナリティが正常ではないのではないかと疑い、その育ってきた環境に目を向けようと思ったそうです。調べてみると、やはり理想的な祖母―母間の関係はないことがわかり、いろいろなことが腹に落ちたといいます。