かつての日本社会では、離婚相談の多くは「夫の不倫」が原因でした。しかし、最近では浮気をする人が減少傾向にあるようです。では、いったい何が離婚原因となっているのでしょうか? 本記事では、離婚カウンセラーである岡野あつこ氏の著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?夫婦関係を改善する「伝え方」教室』(講談社)より一部を抜粋・再編集し、離婚原因の時代による変化について解説します。
令和は「真面目なモラハラ夫・妻」が増えているワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「真面目な人」ほど、人間関係で損をしがち

でも、「真面目な人」ほど、「双方に非がある」と認めたがらないのです。こういう人は「社会一般の倫理観」に基づいて、「論理的、合理的」に判断していると思っていますので、「自分は一方的に正しい」と主張しがちなのです。もちろん、それが悪いというわけではありません。ケースバイケースではありますが、こういう真面目な人は根拠があって言っているわけです。決して間違ったことを言っているわけではありません。

 

しかし、「白黒はっきりさせる」ことが、人間関係においては最適解とは限りません。どんなに正しい主張であっても、ときには曲げたほうが人間関係がうまくいくこともあります。そもそも、「白黒はっきりさせる」のは、「どちらか一方が100パーセント悪いことなんてほとんどない」という現実を無視しているとも言えます。その結果、本人は正しい主張をしているつもりでも、結果的にトラブルの連続となることもあります。

 

このように「真面目な人」ほど、人間関係で損をしがちなのです。人間関係を上手に構築している人、つまり世間から「コミュ力が高い人」「器用な人」と言われる人ほど、「白黒はっきりさせる」ことをせず、「両者を立てて丸く収め」ていたりします。

 

 

岡野あつこ

株式会社カラットクラブ

代表取締役社長