「真面目な人」ほど、人間関係で損をしがち
でも、「真面目な人」ほど、「双方に非がある」と認めたがらないのです。こういう人は「社会一般の倫理観」に基づいて、「論理的、合理的」に判断していると思っていますので、「自分は一方的に正しい」と主張しがちなのです。もちろん、それが悪いというわけではありません。ケースバイケースではありますが、こういう真面目な人は根拠があって言っているわけです。決して間違ったことを言っているわけではありません。
しかし、「白黒はっきりさせる」ことが、人間関係においては最適解とは限りません。どんなに正しい主張であっても、ときには曲げたほうが人間関係がうまくいくこともあります。そもそも、「白黒はっきりさせる」のは、「どちらか一方が100パーセント悪いことなんてほとんどない」という現実を無視しているとも言えます。その結果、本人は正しい主張をしているつもりでも、結果的にトラブルの連続となることもあります。
このように「真面目な人」ほど、人間関係で損をしがちなのです。人間関係を上手に構築している人、つまり世間から「コミュ力が高い人」「器用な人」と言われる人ほど、「白黒はっきりさせる」ことをせず、「両者を立てて丸く収め」ていたりします。
岡野あつこ
株式会社カラットクラブ
代表取締役社長