複雑で難しいイメージの強い「公的年金」。そのためか、一家の大黒柱が亡くなった際に、遺族が受け取れる公的な保障、遺族年金でさえ、その認知度は8割弱にとどまります。さらに細かなルールまで知っているか、といえば、多くの人はNO。ただ、そんな年金のルール、老後の生活設計にまで影響を及ぼすものもあるので、やはりしっかりと知っておきたいものです。
結婚生活40年の69歳夫、心筋梗塞で急逝…3年後、70歳になった妻が「遺族年金の手続き」で訪れた年金事務所で「2度悔しい」と地団太を踏んだワケ 写真はイメージです/PIXTA

遺族年金の認知度は8割弱…「自分は受け取れるか」「家族は受け取れるか」を知りたい

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』によると、遺族年金の仕組みがあることの認知度は77.3%。多くの人が遺族年金を認識はしていますが、それでも全国民が知っている、とはいえない状況です。

 

また年齢別にみていくと、最も高いのが老齢年金を受け取る人も多くなる60代で87.0%。50代、70代で8割を超え、30~40代では70%代となっています。

 

また遺族年金の仕組みを知っている人に、遺族年金の何を知りたいか、を尋ねたところ、トップは「遺族の属性・保険料納付実績等受給のための要件」で6割強。「万一のときに、自分は遺族年金をもらえるのか」「自分に万一のことがあったら家族は遺族年金をもらえるのか」、気になるところです。

 

【遺族年金で何を知りたいですか?】

1位「遺族の属性・保険料納付実績等受給のための要件」…63.6%

2位「遺族年金の額や計算方法、シミュレーションの仕方」…39.7%

3位「遺族年金を請求する方法」…39.6%

4位「支給年数は遺族の年齢に応じてどう変わるのか」…34.8%

5位「遺族の属性や人数に応じて額に違いがあること」…30.3%

6位「遺族年金における税金や社会保険料の取扱い」…30.0%

7位「遺族年金の相談窓口」…28.6%

 

遺族年金には国民年金に由来する遺族基礎年金と、厚生年金に由来する遺族厚生年金があり、遺族基礎年金には子の要件があり、子がいない場合は受け取りることができません。いわば、子育て世代に向けた公的な保障と考えると分かりやすいでしょうか。一方、遺族厚生年金には子の要件はなく、より受け取ることができる人は、より幅広くなっています。

 

遺族年金の請求に関しては、家族が亡くなってから5年以内。これは年金の受給権に、権利が発生してから5年間という消滅時効があるから。ただやむを得ない事情で、時効完成前に請求をすることができなかった場合には、その理由を書面で申し立てることで時効消滅後の請求が認められるケースもあります。

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」来場登録受付中>>