ひとり親になった理由はさまざまですが、大切な我が子を育てあげるために、子育てに仕事に大奮闘。ただ、ときに思わぬところで“ひとり親”であるデメリットを感じることもあるようです。
月収32万円・38歳のシングルマザー、小4ひとり息子が「学校に行きたくない」と号泣。きっかけは担任教師の「何気ないひと言」 (※写真はイメージです/PIXTA)

働かない夫と離婚…母子ふたりで奮闘するが

――息子が朝から学校に行きたくない布団をかぶったまま号泣

――仕事もあるし、どうしたらいいのかわかりませんでした

 

夏休み明け、久々に会う友だちもいてうきうきして小学校に行っていたのに、急に小学校4年生のひとり息子が不登校になったという、小林美紀子さん(仮名・38歳)。10年前に結婚し、長男を出産したものの「夫が満足に働かない」などの理由から、昨年離婚。実家に戻るという選択肢もありましたが、その場合、長男は転校をしなければならず、「絶対、友だちと離れるのはイヤ!」と主張する子どもの意見を尊重し、母子ふたりで頑張る日々だといいます。

 

厚生労働省『令和3年度全国ひとり親世帯等調査』によると、母子世帯数は全国に119.5万世帯。仕事での年収は平均236万円です。年収の分布をみていくと、「100万円未満」が19.7%、「100万~200万円未満」が27.7%、「200万~300万円未満」が24.2%、「300万~400万円未満」が13.3%、「400万円以上」が15.1%。

 

一方、厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、女性会社員(平均年齢42.6歳)の平均年収は399.6万円。また正社員(平均年齢40.9歳)に限ると440.8万円です。ひとり親世帯調査に戻り、シングルマザーの就業状況についてみていくと、そもそも「仕事をしている」は86.3%。そのうち正社員は48.8%、「パート・アルバイト」が38.8%です。半数以上が正社員ではないという状況により、シングルマザー世帯は全体的に低収入になっています。

 

小林さんの場合、離婚理由からもわかる通り、慰謝料や養育費は一切なし。ただ「母子家庭だからといって、貧しい思いはさせたくない」と仕事と子育てを両立する毎日。ただ中学年とはいえ、まだ小学生。「夜まで留守番をさせたくない」と、18時の定時にはピッタリと帰るようにしています。それでも月収で32万円、年収は500万円と、平均を上回っているといいます。

 

――職場の理解もある。離婚はしたけど、恵まれていると思っています