今や「夫婦2馬力で頑張る」という共働き世帯が多数派の昨今。夫は正社員、妻はパートなどの非正規社員というパターンが多く、共働きとはいえ「男は仕事、女は家」という意識が残っていることも。これが大騒動のきっかけになることもあるようです。
月収35万円・42歳サラリーマン「皿くらい洗っておけよ」の舌打ちに、時給1,300円の40歳パート妻「なら、もっと稼げよ」と大激怒…共働き夫婦の大修羅場 (※写真はイメージです/PIXTA)

夫・正社員、妻・パートの共働き…妻が意識する「年収の壁」

厚生労働省『令和5年版厚生労働白書』によると、2022年、共働き世帯は1,262万世帯、専業主婦世帯は539万世帯でした。

 

その推移をみていくと、初めて共働き世帯が専業主婦世帯を上回ったのは、バブル経済が弾けたあとの1992年。その後、1995年、1996年には再び専業主婦世帯が上回るものの、再び共働き世帯が逆転。両者にそれほど大きな差のない状態が続きますが、2010年代に入ると一気に共働き世帯が増え、現在に至ります。

 

今や「共働きが普通」といえる状況ですが、そういえるようになったのは、ここ10年ほどのことなのです。

 

【専業主婦世帯と共働き世帯の推移】

1980年:1,114万世帯/614万世帯

1985年:952万世帯/722万世帯

1990年:897万世帯/823万世帯

1995年:955万世帯/908万世帯

2000年:916万世帯/942万世帯

2005年:863万世帯/988万世帯

2010年:797万世帯/1,012万世帯

2015年:687万世帯/1,114万世帯

2016年:664万世帯/1,129万世帯

2017年:641万世帯/1,188万世帯

2018年:606万世帯/1,219万世帯

2019年:582万世帯/1,245万世帯

2020年:571万世帯/1,240万世帯

2021年:566万世帯/1,247万世帯

2022年:539万世帯/1,262万世帯

 

共働き世帯といっても、正社員の夫に対して、妻も正社員であったり、パートやアルバイトだったりと形態はさまざま。ただ子育て世帯であれば、妻はパート・アルバイト、というケースが多いのではないでしょうか。

 

木村健太さん(仮名・42歳)、香織さん(仮名・40歳)夫婦も、夫・正社員、妻・パートで働く共働き夫婦。子どもは小学4年生と1年生の2人で、どちらも男の子。上の子は中学受験に向けて、塾通いを始めたところだとか。

 

香織さんのパートは、時給1,300円の事務職。1日5時間で週4回勤務で1ヵ月の収入は10万円強。

 

――住宅ローンの返済があるうえ、教育費も増えてきたので、できればもっと働きたいのですが……

 

気にするのは「年収の壁」。「年収100万円以上」なら住民税がかかる、「年収103万円以上」だと所得税がかかる、「年収106万円以上」なら社会保険の加入義務が生じる、「年収130万円以上」だと家族の扶養から外れる、「年収150万円以上」だと夫の配偶者控除が減少、「年収201万円以上」で夫の配偶者特別控除がゼロに、というもの。

 

――夫からは「働いてもいいけど年130万円は超えるなよ!」と強めにいわれています