介護が必要な人の割合
公的介護保険を受給している方はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省による調査によると、高齢になるにしたがって受給者数の割合は高くなっています。75~79歳以降は、女性のほうが男性を上回っていることがわかります。
もしも、介護が必要な状況や認知症になったら、田中さん夫婦の場合は施設などを利用することになりそうです。介護を受ける本人や家族がどのようにしたいか、話しておくと将来の暮らし方について、選択しやすいということがあります。
認知症の方の人数は、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人の割合に増加するといわれていますが、認知症になることを遅らせたり進行を緩やかにさせたりするために、さまざまな研究が進められています。どのような病気にもいえることですが、気になることがあったら医療機関を受診し、早期に発見することが重要です。
介護が必要になったときの選択肢の一つ、保障の種類と概要
介護が必要になったときの保障として挙げられるのは、介護保険と認知症保険です。それぞれの特徴を紹介します。
介護保険
公的介護保険とは別に、介護が必要になったときの経済的な負担に備えることができる保険です。保険商品ごとに定められている所定の要介護状態になった場合に、一時金や年金が支払われます。年金タイプの保険商品には、一定の介護状態に該当すると保険料の払い込みを免除する特約を付加できるものがあります。大きなメリットとしては、65歳未満で公的介護保険の対象にならないケースでも保険金を受け取ることができる点でしょう。
認知症保険
病気のなかでも、特に認知症になったときのために備えられる保険です。認知症保険は、告知事項が少ないものがほとんどで、持病があるなどの方でも加入しやすくなっています。軽度認知障害と診断確定されたとき、器質性認知症と診断確定され、かつ公的介護保険制度の要介護1以上と認定されたときなどに給付金が支払われ、給付金を予防のために活用できる仕組みになっている保険商品もあります。保障の申込日から一定期間は保障の対象とならない免責期間が設けられているなどの保険商品が多いです。
介護保険、認知症保険、どちらの保険にも、保障期間や保険期間を10年などの有期とするか終身とするか選べる保険商品がありますので、保険料の払込期間や保障が必要な時期を決めて準備することも可能です。
ひとくくりに介護保険、認知症保険といっても、保険商品の保障内容は異なります。加入を検討する際には、どのようなときに保険金が支払われるのか、いつまで保障が続くのかなど、しっかり確認して納得のいく保険選びをしていただきたいと思います。
<参考>
厚生労働省 介護給付費等実態統計(旧:介護給付費等実態調査):結果の概要 令和4年度 介護給付費等実態統計の概況(令和4年5月審査分~令和5年4月審査分)結果の概要 受給者の状況P5
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/22/dl/02.pdf
明治安田生命
https://www.meijiyasuda.co.jp/find/list/sasae/index.html?tab-2
ライフネット生命 認知症保険be
https://www.lifenet-seimei.co.jp/product/dementia/
明治安田生命 認知症保険
https://www.meijiyasuda.co.jp/find/ld/imakarani.html
太陽生命ダイレクト スマ保険
https://www.taiyo-seimei.co.jp/tyosma/BizhubLogicServlet
藤原 洋子
FP dream
代表FP