内科医の橋本将吉氏は著書『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』で血管がいかに老化対策に必要かを説いています。一体どうしてでしょうか? その理由を著書から説明します。
血管は「老化格差を決める」6つの力すべてにかかわる
老いても元気な人とどんどん衰えていく人をわける6つの力があります。それが「運搬力」「回復力」「解毒力」「防御力」「運動能力」「認知力」です。「運搬力」とは、栄養をすみずみまで運ぶ力のことです。これまでに説明してきたように、栄養などを運ぶ運搬力に大きく影響しているのが血管であり、血流なのです。実は、血管、血流が関係しているのは、これだけではありません。傷ついた体を修復する「回復力」。傷ついた細胞を修復する成長ホルモンの通り道も血管なのです。
さらに言えば、先ほど紹介した血小板も、傷ついた血管を修復する役割を担っています。有害物質を体外に排泄するのが「解毒力」。血液は、栄養などの必要なものだけでなく、不要なもの、余分なものを運ぶ役割も担っています。また、体に害を及ぼす敵から身を守る「防御力」。これも先ほど紹介した血液の構成要素の1つ、白血球が大きな役割を果たしています。
それだけにとどまらず、体を思い通りに動かせる「運動能力」をつかさどる筋肉も、物事をしっかりと認知する「認知力」をつかさどる脳も、血液が運ぶ栄養素で動いています。つまり、運搬力だけでなく、6つの力にすべてかかわっているのが血管、血流であり、あなたの健康の重要なライフラインであると言えるのです。
橋本将吉
内科医