血管をつなぎあわせると地球2周半分になる

皆さんこんにちは、ドクターハッシーこと内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。突然ですが、皆さんにクイズです。あなたの体の中にある日本のどの道よりも長い道はなんでしょう。もしかしたら、察する方もいらっしゃるかもしれません。そう、答えは血管です。


成人の体の中にあるさまざまな血管をつなぎあわせると、1周約4万キロの、地球2周半分、約10万キロもの道ができるといわれています。地球と比べるとずいぶんと小さな自分の体の中に、そんなものがあるなんて、ちょっと驚きですよね。それだけ、内臓、足の先から脳のすみずみまで、血管がびっしりと張り巡らされているというわけです。


そして、その膨大な長さの血管の中を、休むことなく、移動し続けている頑張り屋さんがいます。それが血液です。そして、この血液は、血管内を旅する間にさまざまなものを運んでいます。その1つが栄養です。当然のことですが、人はずっと食べ物を食べなかったり水分をとらなかったりすると、朝起きたときに天の上の人になっていることがあります。


これは、体の中にある臓器、そして臓器を形成している1つひとつの細胞も同じことです。栄養が滞れば機能不全に陥る可能性があります。食事などで取り入れた栄養は、血管を通って各臓器、そして細胞に運ばれています。血液は栄養ともう1つ、体に欠かせないものを運んでいます。なんだかわかりますか?


口を閉じて、強く鼻をつまんでしばらく我慢してみてください。苦しいですよね。これは、そのとても重要な、生きるために欠かせないものが入ってこないために、体があわててSOSを出しているから苦しいんです。もうわかりますね。酸素です。ちょっとここで、血液について細かく説明していきます。