国内外で急速に活用が広がっている「生成AI」。従来のAIとは異なり、テキストや画像、音声、動画、音楽など、新しいコンテンツを生成する能力を持った人工知能の一種です。米オープンAIのAIチャットサービス「ChatGPT」をはじめ、実用的なツールが次々に登場し、ビジネスシーンや日常生活に浸透しつつあります。業務の効率化はもちろん、クリエイティビティや日々の暮らしにも役立つツールとして発展が期待できる生成AIは、現在、あらゆる業界において、積極的な活用が始まっています。そこで今回は、身近に活用されている生成AIのサービスや企業の取り組みを紹介します。
夏休みの自由研究、転職活動、フリマアプリの出品…急速に発展する「生成AI」、身近な活用事例は?

出品商品をより売れやすくするために、ユーザーの最適行動を手助け

メルカリAIアシスト(メルカリ提供)
メルカリAIアシスト(メルカリ提供)

メルカリが運営するフリマアプリ「メルカリ」では、2023年10月から、ユーザーに向けたAIアシスタント機能「メルカリAIアシスト」をスタート。生成AIと大規模言語モデル(LLM)を活用し、出品や購入、困りごとの解決など、ユーザーの利用時に最適な行動をアシストしてくれます。

 

メルカリAIアシストでは、第1弾の機能として、「出品商品の改善提案機能」を導入。一定期間売れ残っている出品商品に対して、AIがメルカリの過去の情報を元に商品情報の改善提案を行います。商品サイズや購入時価格など、追記すべき内容を提案するだけでなく、おすすめの商品名等を自動生成したり、商品サイズや購入時価格などの追記情報を提案したり、一人ひとりに合ったサポートが受けられます。

 

さらに、商品検索時に利用できる機能も増設。欲しい物のイメージをもとにチャット検索する機能で、メルカリAIアシストからの質問に回答していくと、いくつかの検索結果を出力してくれます。一日に利用できる回数には上限がありますが、スムーズなお買い物が期待できそうです。(現在、メルカリAIアシストは一部のユーザーのみ利用可能)

アイデアや便利さを得られる生成AI、デメリットの理解も大切

わたしたちの生活の中で、急速に拡大しつつある生成AI。ツールの充実でアイデアや便利さを享受できる一方で、「提案された内容が正確ではない」「不適切な内容が含まれる可能性がある」「出力結果の品質を安定させるのが難しい」など、さまざまな課題も挙げられます。

 

現時点での生成AIは発展途上のため、メリットだけでなく、デメリットも理解して正しく利用することが、安心安全につながるといえそうです。
 

 

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<著者>

文/渡邊晃子

フリーライター。1983年生まれ。大学卒業後、会社勤務を経て、2010年からフリーランスのライターとして活動。WEB媒体を中心に、エンタメ、ライフスタイル、テック、子育てなどの分野で執筆を行う。