みけちゃんがうちの子になった日の話

みけちゃんはあの日、「ただいま」と当たり前のように10センチほど開けていた玄関から入ってきた。

当時私はアパートの6階に住んでいて、少し前からアパートの駐車場に猫がいることに気がついていた。

もちろんかわいいとは思ったけど、うちの子にしたいなんてこれっぽっちも思わなくて(どちらかというと犬派だった)。

だけどずっと駐車場にいたから通るたび目が合っていたし気になっていた。

今思えば、みけちゃんはアパートに出入りしている人たちを見ながら、

あそこはダメ、犬がいる

あの人の家はすでに猫が……

あの人は留守が多い

とか観察していたんだと思う。

でなきゃ、わざわざ6階まで上ってこないはずだから。

そんな交流(?)が続いたある日の午後、台所にいた私は“気配”を感じ振り向くと、猫がいた! 

間違いなくいつも駐車場にいた猫。

え!? なんで? ここ6階やで? 

どやって来たん? 

なんで入ってきたん? 

なんでおるん? 

何しに来たん? 

慌てる私をチラッと見て、ソファで寝始めた。

な、なんなんや、この猫は!?