人間なら116歳! SNSで注目されているご長寿猫「みけちゃん」。飼い主である「かあちゃん」との出会いは、驚きのものでした。みけちゃんと家族の「普通で愛おしい」日常を、みけちゃんの飼い主であり、児童文学作家である村上しいこ氏の著書『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より一部抜粋・再編集してお届けします。
「ここ6階やで!?」…気配を感じて振り向くと、自宅ソファでくつろぐ野良猫が!25歳のご長寿猫“みけちゃん”が家猫になった日
翌日、仕事から帰った村上さんが見た「驚きの光景」
そしてその日の夜、仕事から帰って部屋に入った夫の第一声は、「え、ねこ?」
まあそうなるわな。
いつも自分が座っているソファの真ん中で、すやすや気持ちよさそうに猫が寝てるんやもん。
驚いてたけど追い出そうとはせず、そのまま受け入れ、猫をどかしソファの真ん中……ではなく端に座ってた。
とりあえず猫のごはんを買いトイレは段ボールに猫砂を入れ、なんとかそれっぽく形にした。
ごはんを食べ、段ボールトイレを上手に使い、なんの問題もなく朝になり、夫は仕事に行き、私もパートに出なくてはならず、さて猫ちゃんどうしよう。
当の猫は「行ってらっしゃい。留守番は任せて」とばかりに相変わらずソファで寛いでいた。
もとから、ずーっと前からそうしていたように。
おなかが空かないようにごはんとお水だけは用意して、ベランダに出られるよう窓を10センチほど開けておいた。
(今思えばいろいろ危険だったな)
部屋は散らかすやろなと不安も感じながら、じゃあ行ってくるわと仕事に出た私。
そして夕方、鍵を開け、そぅ〜っと部屋の中に入ると……。
うあああーーーーーーーーっ‼ とはならず、へ?
猫さん、朝と変わらずソファで寝てた。
観葉植物も、オルゴールやら何やら飾ってあったもの何ひとつ変わらずそこにあった。
ほっとしたし良かったんやけど、あのぅ、猫さん動きましたか?
でもよく見ると、ごはんはちゃんと食べてあったし、トイレも使った形跡があったから動いたと確認。
それから数日経ち、みけちゃんがケガをしていることに気がついた。
なんか膿みたいなものが出てるし、とりあえず人間用の消毒液をつけて様子を見ていたけど
なかなか治らずこれはあかんと思い、友達に連絡をして動物病院を教えてもらい連れていった。
そこで初めて、傷は犬に噛まれたものであること、猫は人間より痛みに強いこと、膿が溜まったら外側は治ったように見えても内側は治っていないことを教わった。
初めて迎えた猫、初めて行った動物病院。私、どうやって薬飲ませてたんやろ。
なんか初めてづくしでアタフタしてたかも。
でも気がつくと傷はすっかり治ってた。