人間なら116歳! SNSで注目されているご長寿猫「みけちゃん」。飼い主である「かあちゃん」と引っ越しをすることになりました。ところが、新居に到着したみけちゃんにある異変が……。みけちゃんと家族の「普通で愛おしい」日常を、みけちゃんの飼い主であり、児童文学作家である村上しいこ氏の著書『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より一部抜粋・再編集してお届けします。
日向ぼっこができると思ったのに…〈アパートの6階〉から〈庭付き戸建て〉の新居に到着後、愛猫に起こった「異変」~25歳のご長寿猫“みけちゃん”が初めて「引っ越し」をした日~
一大事! 庭つき一戸建てに引っ越すにゃわわ!
あれは14年前のこと。
「みけちゃん、引っ越しするで!」
え……。
ぽかぽかと春の日差しが気持ちいい季節だったわ。
突然、かあちゃんが言ったの。
「ヒッコシって何?」
美味しいごはんやおやつじゃないことはなんとなく分かったけど、どうやらあたしの身に何か大きな出来事が起ころうとしているらしい。
この家の子になろう。
かあちゃんの子になろうって決めたのはたしかにあたしよ。
だけどまさか2回も引っ越しすることになるなんて思わなかったわ。
6階からの眺めも悪くなかったし、ベランダの柵に来るカラスさんやハトさん、すずめさん、そして下を歩く人たちを見ているのも結構楽しかったのよ。
「みけちゃん、ここより日当たりええし、きっと喜ぶと思うよ!」
だって!
でも、日向ぼっこがたくさんできてあたしの美毛が保たれるなら悪い話ではなさそうね。
こうして1回目の引っ越しが決まり、あたしは当日を迎えたの。