人間なら116歳! SNSで注目されているご長寿猫「みけちゃん」と、拾われてみけちゃんの弟になったピース。そんな2人の新しい家族は、小さな小さな仔猫「パレオ」でした。みけちゃんと家族の「普通で愛おしい」日常を、みけちゃんの飼い主であり、児童文学作家である村上しいこ氏の著書『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より一部抜粋・再編集してお届けします。
25歳のご長寿猫「みけちゃん」の家に3匹目の猫がやってきた!新入り仔猫「パレオ」が持ってきた、なかなか大変な〈お土産〉とは?
村上家「3匹目の仔猫」と出会った話――“末っ子”パレオ登場
新聞の折り込み紙で『三重ふるさと新聞』というのがある。2012年の10月中旬のある日、「猫もらってください」コーナーに、片腕だけが茶トラ猫毛色で、あとはキジトラ猫毛色という仔猫が載っていて、
「なんやこの珍しい柄!! 会ってみたいやん!!」
となり、すぐに電話をした。すると先方から、
「ああ、その子はもう里親さんが決まったんです」
やっぱりな、そうやよな、と落胆する私に、
「あ、でもほかにもたくさんかわいい子がいるんです。会うだけでいいので会ってくれませんか」
じゃあ、お願いします! 私は、最初からそう決まっていたかのように、それが当然のように即答していた。おいおい、最初の珍しい柄の仔猫じゃなくてもいいんかーい! という声がどこからともなく聞こえたような聞こえてないような……。
そうしてやってきたのが、生後1ヵ月くらいで、私の手のひらに収まってしまう小さな小さな仔猫。体だけではなく一生懸命に鳴くその声もまたか細くて、こんな小さい子を私は育てられるのかと不安になるくらいだった。
保護したボランティアさんが言うには、まだ目も開いてない仔猫が5匹一緒に段ボール箱に入れられていて、みんなわりとすぐにお家が決まったけど、私のところへ来た子だけが最後まで残り、また1番弱っていたらしい。
いやいやちょっと待って。そんな状態の子を私が育てられるのか。
ピースを保護したときも生後2ヵ月〜3ヵ月で小さいと思ったけど、それなりにしっかりしていたからそこまで不安はなかった。でも、か細くても必死に鳴くその姿が、
「もうぼく、どこにも行きたくないの。ここの家の子になりたい」
と言っているように聞こえ、まずはみけちゃんとピースが受け入れるかどうかを確かめるべく、ショートステイで預かることになった。しかしこのときばかりはショートステイの2週間、生きてるか何度も確認した。
―ぼく、一生懸命鳴いてアピールしたもん。
かあちゃんに届いてよかった ―パレオ