村上家「3匹目の仔猫」と出会った話――“末っ子”パレオ登場

新聞の折り込み紙で『三重ふるさと新聞』というのがある。2012年の10月中旬のある日、「猫もらってください」コーナーに、片腕だけが茶トラ猫毛色で、あとはキジトラ猫毛色という仔猫が載っていて、

「なんやこの珍しい柄!! 会ってみたいやん!!」

となり、すぐに電話をした。すると先方から、

「ああ、その子はもう里親さんが決まったんです」

やっぱりな、そうやよな、と落胆する私に、

「あ、でもほかにもたくさんかわいい子がいるんです。会うだけでいいので会ってくれませんか」

じゃあ、お願いします! 私は、最初からそう決まっていたかのように、それが当然のように即答していた。おいおい、最初の珍しい柄の仔猫じゃなくてもいいんかーい! という声がどこからともなく聞こえたような聞こえてないような……。

そうしてやってきたのが、生後1ヵ月くらいで、私の手のひらに収まってしまう小さな小さな仔猫。体だけではなく一生懸命に鳴くその声もまたか細くて、こんな小さい子を私は育てられるのかと不安になるくらいだった。

保護したボランティアさんが言うには、まだ目も開いてない仔猫が5匹一緒に段ボール箱に入れられていて、みんなわりとすぐにお家が決まったけど、私のところへ来た子だけが最後まで残り、また1番弱っていたらしい。

いやいやちょっと待って。そんな状態の子を私が育てられるのか。

ピースを保護したときも生後2ヵ月〜3ヵ月で小さいと思ったけど、それなりにしっかりしていたからそこまで不安はなかった。でも、か細くても必死に鳴くその姿が、

「もうぼく、どこにも行きたくないの。ここの家の子になりたい」

と言っているように聞こえ、まずはみけちゃんとピースが受け入れるかどうかを確かめるべく、ショートステイで預かることになった。しかしこのときばかりはショートステイの2週間、生きてるか何度も確認した。

―ぼく、一生懸命鳴いてアピールしたもん。
かあちゃんに届いてよかった  ―パレオ

出所:『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より抜粋
[写真2]現在のパレオ 出所:『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より抜粋