人間なら116歳! SNSで注目されているご長寿猫「みけちゃん」。高齢のため、徐々に健康面での心配事が出てくるようになったみけちゃんですが、その「生命力」の凄さには、家族も驚かされることが多いそう。みけちゃんと家族の「普通で愛おしい」日常を、みけちゃんの飼い主であり、児童文学作家である村上しいこ氏の著書『25歳のみけちゃん』(主婦の友社)より一部抜粋・再編集してお届けします。
23歳で激しい「夜鳴き」が始まった“ご長寿猫・みけちゃん”…認知症を疑う飼い主に、主治医が告げた「思いがけない要因」
みけちゃんがてんかん発作を起こしたときの話
それは本当に突然だった。
みけちゃんが18歳くらいのときだったと思う。いつものように、みけちゃん、ピース、パレオは廊下に並んで日向ぼっこをしていた。そんなとき、みけちゃんが急に激しくけいれんを起こし、瞳孔が開き口から泡を吹きだした。
みけちゃんが死んでしまう!!
どうしていいかわからず慌てていたのだけど、みけちゃんは抱っこした夫の手を噛み、私は、みけちゃんどうしたん? と名前を呼び、声をかけることしかできなかった。
とても長く感じたけれど、たぶん2~3分だったと思う。突然のことでピースとパレオも興奮し、それまで1度もしたことがないけんかを始めた。よだれでベタベタになっているみけちゃんのことは夫に任せ、私はピースとパレオの仲裁に入り、互いを別の部屋に入れ病院に電話をした。
翌日、みけちゃんが落ち着いたのを見て病院に連れていき診察をしてもらった結果、てんかん発作」だと言われ、若い子なら手術という選択肢もあったけど、みけちゃんはもう高齢で、全身麻酔のリスクが高すぎるからお薬で予防していこうということになった。
あれから数年、何度か発作が起きたけど、私たちも対処に少しずつ慣れてきて発作が起きても慌てず、みけちゃん、とうちゃんとかあちゃん、ピースとパレオもおるよ、大丈夫大丈夫、みけちゃん大丈夫やでな、そばにおるよと声をかけながら、発作がどれくらいで治まったか、どの程度の発作だったのかを先生に診てもらうための動画を撮れるまでになった。
とはいえ、発作は本当に突然始まるし、苦しそうなみけちゃんを見ているのはやっぱり辛い。
25歳と超高齢のみけちゃん。今の体力で発作に耐えるのは命がけになると思うから、どうか穏やかに過ごしてほしいと願うばかり。
―発作のときはあたしも 記憶が飛んでるけど、
とうちゃんとかあちゃん、ピースとパレオの声は
聞こえてるのよ ―みけ