徹底的に資産を守る…テッパンは「2%ルール」
トレードでのリスク管理は成功の鍵。その中でも「2%ルール」は損失を最小限に抑えるための有効な手法です。
トレード1回のリスクを限定できる
トレードをする際にどのくらいのロット(通貨量)を打ち込むか、なかなか考えどころだと思います。ここは資金管理とも密接にかかわってくるトレードの重要な要素の1つですが、明確な答えを出してくれる「2%ルール」というものがあります。
これは簡単にいうと、「トレード1回の損失を口座資金の2%に収まるようにロットを調整する」というルールです。例えば、口座資金が100万円なら、トレード1回の損失額を2万円(2%)に設定することになります。
この場合のエントリー時の損切り幅が10pipsなら20万通貨、100pipsなら2万通貨という具合に、打ち込むロットは自動的に決まってきます。
リスクをのんだトレードがしやすくなる
この2%ルールのメリットは主に2つあります。
1つ目が、損失額があらかじめ明確なので、リスクをのんだトレードがしやすくなることです。負けた場合の損失がわからないままトレードするから、私たちは不安になってメンタルがブレてしまうという側面があります。これが、結果的にルールを破ったトレードや、冷静さを欠いた行動などにつながってしまうのです。
しかし2%ルールなら、先に損失額や損切り幅というリスクを明確にしないとロットが定まらないため、そもそもエントリーができません。こうすることで、損失を限定してくれるだけではなく、メンタルの安定にも貢献してくます。
徹底して自分の資金を守ることができる
2つ目のメリットが、徹底して自分の資金を守ることができることです。例えば、100万円の証拠金に対して2%の損失額は2万円ですが、仮に負けた場合、次のトレードは98万円(100万円-2万円)の2%である1万9600円の損失額にロットを調整してトレードすることになります。
つまり、負けて資金が減れば、それに合わせて損失額も調整されることになるので、多少連敗が続いてしまっても確実に資金を守ることができるのです。
一方で、資金が減った際にロットも小さくなるのであれば、元の資金量に回復するまで多少の時間がかかってしまうことがデメリットです。しかし、まだトレードが安定しないうちは資金を守ることを何よりも優先すべきです。
また、一度失った資金を回復するという側面だけに注目すると確かにデメリットに感じますが、トレードが安定してくればロットも自然と大きくなり、複利の力で雪だるま式に資金が増えていくという側面もあります。
このような性質を考えると、特にこだわりがない限り、2%ルールを資金管理として採用するのが鉄板だと私は思います。ただし、別に「2%」という数字にこだわる必要はありません。最初のうちは1%くらいのリスクでやっていくべきだと思いますし、自信がついてくればその割合を上げて資金を増やすスピードを加速させることもできます。
個人的には、どんなに上げても5%です。これ以上は複利のスピードにメンタルがついていかなくなる可能性があるので、ここがリミットだと感じます。2%ルールは1~5%の範囲内で無理なく運用していってください。
ロットの具体的な計算方法は、以下の式で算出できます。
●クロス円
ロット(通貨量)=損失額÷損失幅(pips)×100
●ドルストレート
ロット(通貨量)=損失額÷損失幅(pips)÷ドル円レート×10000
毎回この計算式に当てはめて算出するのは煩雑な作業になるため、アプリやWebサイトを活用したりするのがおすすめです。少し探せばすぐにいろいろと出てくると思うので、ぜひ試してみてください。ここの手間をいかに簡略化するかも長くトレードを継続していくためには重要な要素です。
Hiro
FXトレーダー