「老人ホーム」を終の棲家にする人が増えている 

“終の棲家”として、いわゆる「老人ホーム」を選ぶ高齢者が増えています。

厚生労働省がまとめたデータをみると、2000年に老人ホームで亡くなった方の数は1万7,807人でしたが、2022年には17万2,727人と約20年間で約10倍に増加していることがわかります。

※ 厚生労働省「第1編 人口・世帯 第2章 人口動態」より

また、高齢者の増加によって老人ホームの定員数も増えており、介護老人福祉施設(特養)の定員数は2010年時点で40万3,313人でしたが、2022年には59万2,754人と約1.5倍増加。

有料老人ホームは2010年の19万5,972人から2022年の66万1,490人と、3倍以上に増加しています

※ 厚生労働省「令和6年版高齢社会白書」

ところで、ひと口に「老人ホーム」といっても、介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、「サ高住」と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅など、さまざまな種類があります。かかる費用は施設によってピンキリですが、いわゆる「高級老人ホーム」と呼ばれる施設では、入居一時金だけで1億円以上かかる施設もあります。

老人ホームに入居する際は、この入居一時金(前払い金)のほか、毎月「月額利用料」を納める必要があります。

月額利用料の主な内訳は、下記のとおりです。

・家賃

・食費

・管理費

・介護サービス費

・上乗せ介護費

・レクリエーション費 など

高級老人ホームの特徴は、なんといっても豪華な設備です。ホテルのように洗練されたエントランスに、遊戯室やジム、シアタールーム、温水プールが設置されている施設もあり、まさに至れり尽くせりです。スタッフも一般的な老人ホームより多めに配置されており、落ち着いた雰囲気のなかで快適に過ごすことができます。

このように、まさに“夢のよう”な高級老人ホームですが、なかにはごく短期間で退去してしまう人も。せっかく高額な入居一時金を支払ったのに、いったいどうしてなのでしょうか。